1月29日(日)晴れ
19:01 Camping
昨日は見事にサボったな。肉が焼けるまでの間振り返っとこう。また酔っ払ったら後で読める字で書けなくなるからな…。
最悪の日だった。
400kmの内の70kmほどのオフロード。こいつが人生史上最低最悪のオフロードの時間を提供してくれた。
砂利がご丁寧にも敷かれているのだが、深過ぎてあっという間にフロントタイヤが埋まってしまう。
だから通常轍を選んで走るわけだが、パタゴニアの暴風がそれをさせない。右斜め前左前時には真横から俺とバイクを殴りつけるかのように轍の外まで押し出してくる。とても真っ直ぐなんて走れないのだ。
数え切れないくらい風に翻弄され、その度にコントロールを失い2〜3m流され、転倒しそうになるバイクのバランスを必死に取り戻して停止。「今のはヤバかった…」と冷や汗をかいて呼吸を落ち着かせてまた走り出す。そしてまた押し出される。
いつ終わるのかもわからないオフロードで、これの繰り返し。頭がおかしくなるんじゃないかと思った。いや、実際発狂してメットの中でブチ切れた。だからアスファルトが見えた時の喜びと言ったら…。
ここはバイクで走って良いところではない。恐らくかなりのライダーが転倒していることだろう。
あとでカラファテの街でカルロス達と再会してこの道のクソさについて笑い合ったが、派手に転倒した写真を見せてくれた。幸い車体も彼らも無事だったようだ。俺もただ運が良かっただけに過ぎない…。
しかし、久々に「やってやったぞ!!」という感覚は得られた。世界中のライダーはこの称号が欲しくてR40に集まるのかもな。
真のパタゴニアを知った…。
疲れ果てて倒れてる額賀さんの写真が好きなので、それを参考に俺もくたばってみた。シート上の毛皮が浮いているのが風の強さを物語る。
お前こんな枯れた大地でどうやって生きてるんだ?
憎たらしいオフロード。
アスファルトとオフロードの境目で出会った二人。一人はスクーター。彼が転倒もなく走り切ったことを祈る。
大きな湖が見えて来た。街が近い。
遠くに見える悪魔城はアウストラル街道からも見えていたものだろうか。
背を低く太く成長し強風に耐えるパタゴニアの植物たち。
賽の河原を思わせる積み石があちこちにある。
謎のUFO雲。富士山の山頂でよく見る笠雲とは違うよな。
水場があるとは言えこんなとこでどうやって生きてるのだろう…。
アルゼンチンのパタゴニアに来て見かけるようになったSOS発信機。いや、オフロード区間に設置してくれよ。
遠くに街が見えて頑張りが救われる時。
暴風の中野営など俺のムーンライト2型ではとてもできないため、街のキャンプ場に泊まることにした。
設営してスーパーで肉を1kg750円、それにワインとチーズとフランスパンも手に入れてパーティーの準備。
その帰りにカルロス達とガソスタで再会した。聞くと彼らのテントは壊れてしまい、レンタルできるとこを探していると。街に着いたのが遅かったためお店も閉まっており、明日の開店を待ってアウトドアショップでテントを手に入れるらしい。結局、俺のキャンプ場の目の前のホテルを取って今回は事なきを得た。今後もルートは一緒だし、また会えるかもな。とりあえずお互いに無事で良かった。
そしてキャンプ場に戻りパーティーの準備をした。薪は予め集めていたが、ちょうど炭火を熾してアサードをしているお父さんがいたので「隅っこ使わせてもらっても良いかな?」と甘えてみたら快諾してくれた。何か俺も良い具合に図々しくなってきたな。彼に「日本のBBQはこんなに派手じゃない。肉もソーセージも小さいんだ」と自嘲する感じで伝えたら笑ってくれた。
んで待つこと1時間。彼の家族にも見守られながら焼いたステーキは、ゴムだった。顎が死ぬ。てか喉に詰まらせて死ぬ。安いわけだ。細かく刻んで500g食って、さあ後半分だと竈門に回収に行ったら、そこには野犬三頭が集まり、肉は奪われていた。持ってけドロボー。お前らの咬筋力なら噛み切れるだろうさ。
そしてテントの中でフランスパンとチーズ、時々ワインを飲みながら『ヴィンランドサガ 』を観て気持ちよく酔って、日記書いていないことを自覚しつつも「今日は良かろう!」と納得して寝た。
肉の安さに感動する。チリでは絶対に買えんかった。
しかし缶詰が一気に高くなる。
今更だがチリとアルゼンチンのスーパーのレジはこんな感じ。日本のは機能的だなと改めて感じる。
炭の扱いもプロ級のお父さん。ミゲルもそうだったがアルゼンチンの皆さんはレベルが違う。
「君も撮ってあげるよ!」とお父さんが撮ってくれた。ゴム肉とは知らずに満面の笑み…。
日本のアウトドアメーカーが出している携帯サイズのゴトクが欲しい。あれがあれば焚き火調理に産業革命レベルの変化が起きる。
気持ちよく10時間は寝て、起きたのは8時。
朝から光生と電話して長崎の雪やお父のことについて話した。もう21やけんな、俺が心配するまでもなかった。というか、同じ時分の俺より立派なもんだ。新居も無事確定し、2月頭から新生活が始まるようだ。良いなあ福岡。俺も帰りたいなあ。あ、△と○の道路標識が縦に一つになったやつを見ておでんを思い出して一人爆笑して発狂したのを思い出した。早く食いて〜。
WhatsAppで皆んなと久々やり取りして、「ユーシは消えてしまった」というアレックスにミゲルが「瞬身の術(NARUTOにおける忍術。高速移動のようなもの。ONE PIECEの剃、BLEACHの瞬歩)を使ったんだ」と答えていたので、「いや、俺は飛雷神の術(NARUTOにおける忍術。DRAGON BALLの瞬間移動)で一旦日本に帰って寿司とラーメン食ってまた戻ってくるよ」と答えたら笑ってた。すげえアルゼンチン人だ。豚カツ焼肉唐揚げ味噌汁豚汁天麩羅刺身…。
アレックスはパドロンがまだ手に入っていないらしい。また役所の怠慢のようだ。ほんとチリのお役所しごとはよ…。アレックス、R40のオフロードは気をつけてくれよ。
ルーディはまたチリに戻っていた。さすがBMWのGS、移動力がダンチだぜ。やっぱりいつかは大陸でGSに乗って旅してみたいと思ってしまうな。
ラジオ聴いたよと、しおりから返事の来たけんいきなり電話したら出てくれた。そういや今日は日曜の夜という最高に憂鬱な時間だった。
聞くと、アヤやセイカ達もブログを読んでくれているらしい。マジか。もう全く交流ないのに。それにこの動画や写真のSNSの時代に、あんな古臭いブログを読んでくれている人が、しかも同期にいるとは。いや、嬉しい。今度お礼言わないと。
最後に高橋さんとメッセンジャーで話した。酔っ払っていつの間にか寝て今起きたとか。ライブロケーションだが、上手く機能しているらしい。わかりやすくて良いと。1%でも生存確率を上げるために共有したわけだ。
んで近況では、ゆなやんに貸したエレキギターはそうちゃんが使ってれているらしい。うんいいぞいいぞ。壊してくれたっていい存分に使い倒してやってくれ。彼はしっかりぼっちちゃんのことまで知ってて笑った。80年代が好きらしいな。絶対彼は大人になるまで同期に同志が見つからなくて密かに孤独を抱えて生きることになるだろうな。真面目に俺もそうだった。
んでゆなやん生徒会長で、親父と共に英検準二級合格。おいおいスゲーな。んでヤスさんセロー売ってカブ110買って、スギさん退院して松葉杖生活。情報量が多いわ。帰るのがもう楽しみだよ。
んでそっからは1日ブログ作業。オフラインとハードな移動が続いて追い付けていなかったからな。Wi-Fi様さまだ。
さて、肉も焼けた。今日こそ美味けりゃいいが…。明日は観光して両替もしないとな。
良い一日だった。久々ゆっくりできた。
ポテチも高くなった…。もうチリのようにポテチとコーラでアニメ観ることはできない。
小さな息子さんと3人でチャリ旅されていた。息子さんは後ろの箱に格納される。すげえな…。
今夜は間違いなく美味いステーキが焼けた。勉強になった…。
走行距離 5km
金 酒と食糧1,600