ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day285 Vancouver】カナダでツーリング

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9月3日(日)雨のち曇り時々晴れ

 


22:59 ※割愛

※割愛

 


顔洗って歯磨いてお二人と合流。

SENAの超ハイエンドインカムを貸して頂いて、とりあえずAYASENさんとペアリング。3台同時接続の面倒さは今でも変わらないようだ。

そしてSENAのインターフェイスが懐かしかった。よしきと隆徳先輩、かつひろと4人で走っていた時を思い出す。

 


んで10時前出発。

始めは日が射して暖かかったが、すぐに谷間で影になり鼻水流して走らされた。スコーミッシュでの休憩時にダウンジャケットを着ようとしたら、なんとお店に忘れていた。バイク人生でもこんな馬鹿なミス初めてだ。おかげでこの日は、南米北米旅の中でも最も過酷な寒さの日となった。最後の最後までマヌケよ。

 


途中雨が降って来たためAYASENさんに先頭の金谷さんにサイン出してもらって(金谷さんもセローだが、追い付くには俺のセローではパワー不足)路肩でカッパを着たが、なんと二人はカッパを持って来ていないと!!「信じられん!!」と笑った。確かに北米の人たちは多少の雨では傘もささん、というか見たことないが、そういうことなのか?

 


12時ごろウィスラーのカフェ到着。

ここでやっと柳沢さんにお会いできた。三度目の正直だった。

 


御年61歳。数年社会人生活を送るも、これは違うと感じ夏は北、冬は南で働く季節労働者へ。好きな馬と触れ合ったりとても快適な生活だったが、当時の日本はバブル全盛期。25歳くらいで責任ある仕事を任せられ、順調に上がっていく友人たちとの飲み会で焦りや不安を覚えた(友人達からしたら柳沢さんの生活が魅力的だったらしい。本音かはわからんが)。

それを機に北米を旅し、当初はアメリカの牧場で馬と関わって暮らしたいと考えていたが、1988年にワーホリを始めたばかりのカナダへ。

そして言葉もわからぬままスキーガイドなどを経て、35歳で奥様と出会い、今に至る…。

当時は見返したい気持ちもあったという。

しかし、俺はここでこうしたい!!というような大志と呼べるものはなかった。高校時代の出来事がきっかけで良くも悪くも「どうにでもなれ」と思って生きた結果、今こうしている。と。

 


柳沢さんは俺たち3人(特に初対面で若手のAYASENさんと俺に)に話しながらも、どこか遠くを見るような目で一つ一つ想い出しているような表情をされていた。

 


他にも、狩猟の話や日々の暮らし、そして星野さんと出会った時の話もしてくれた。

 


カナダのフィヨルドに高さ1000m級の世界最大レベルの崖の海岸がセスナ機状から見つかり、その人類未到の地の探索のため、日本からも遠征隊が派遣されることになった(因みに、この1996年の時点で地球上には未踏と呼ばれる土地は、中国やインドの特別区を除いて既になくなっていた)。

しかし、白熊の徘徊する危険なフィヨルドの探索には、現地を知り尽くしたイヌイットの同行が必要だと決められていた(このような役目は、白熊番と呼ばれる)。

一人雇うのもかなりの資金が必要。日本側に金は無かった。

そこで、現地を知りライフルも撃てる柳沢さんに白羽の矢が立った。

 


そしてその旅から帰って来ると、これからカムチャッカに行こうとしてウィスラーに滞在していた星野さんに、共通の友人を通して偶然にも出会うことになった。

 


もsカムチャッカの案が通らなかったら、フェアバンクスの自宅に戻っているはずなので、柳沢さん達がデナリから下山したら(前述の白熊番の役目を果たす代わりに、俺もデナリに連れて行けとご友人に約束させていた)寄ってくださいと約束していた。

そしてその話の通りタルキーナから星野さん宅に電話するも留守電。案が通りカムチャッカへ行かれたのだろうと思っていた。

しかし暫くして、星野さんが亡くなられた事実を報道で知った。

 


それだけの交流だったが、本を読んでイメージした人柄そのままだったと言う。著書にその人柄が滲み出ているのだろうと、柳沢さんは言われていた。

 


十分だ。

一瞬でも当時を生きた人々の物語から星野さんの生きた時間を知ることができた。

また、柳沢さんは星野さんの死因となったクマの事件についてもこう言われていた。

 


確かにコテージでなくテントで寝るのはおかしい。

しかし、長年の経験の基にそう判断されたのだろう。

そしてコテージにいては近くに居るクマのリアルな気配には気付けない。テントだと布一枚のため、比較にならないほど感じ取ることができる。

良い写真を撮るためには確かに必要なことかもしれない。譲れないプロ意識もあったかもしれない。

 


星野さんと同じように厳しい自然を相手にしてきた柳沢さんだからこそわかるものがあるのだろう。俺にはそう感じた。

 

 

 

14時頃、雨も止んできたため出発することに。柳沢さんとはここでお別れ。

三度目の正直でやっとお会いできたが、本当に本当にお話を聞かせてもらえて、そして人生相談までさせてもらって本当に良かった。

「拘りに縛られないように」か。忘れないようにしないと。

 


それからは金谷さんが10年住んでいたウィスラーの街を3人で写真撮ったりアイス食ったりしながら散策した。さすが長年住んでいたあって、あちこちに金谷さんのご友人がいた。

街を俺とAYASENさんに見せてくれる際も、愛する故郷を伝えるような、どこか嬉しそうにされているように感じた。きっと、俺たちには到底語り尽くせない色んな思い出があるんだろう。

 


そして帰り道、スコーミッシュの日本食屋でラーメン、鍋焼きうどんに天麩羅うどんと食って日帰りツーは終了。

ガイドに撮影にその他諸々、金谷さんにはお世話になりすぎているためここだけは出させてもらった。AYASENさんもクソ忙しいのに2日連続俺の遊びに付き合ってくれた。

 

 

 

※割愛

 

 

 

今日は朝から晩まで遊んでもらった。楽しすぎる。

AYASENさんも言っていたが、ここまで楽しいコミュニティを知ってしまうと日本に帰れなくなる。移住したくなる。本当に体が足らん。もっともっとここに住む人達の人生を知りたい。

生き方が定まらねえ。色んなことが興味ありすぎて。嬉しい悲鳴だ…。

 


バンクーバー、てか旅もあと3日。一人になって日記書いていると、これがもう終わることを思い出す。

 


今日も良い一日だった。

 

 

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金谷さんに言われて岩山を見たら、マジかよ。高所恐怖症としては安全な空調の効いた部屋でワインを傾けながら眺めたくなる地獄。
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ウィスラーのとあるカフェにて。
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すげー大先輩とたっぷり話せた。時間全然足んねーけど。
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お母さんとキッズがボードゲーム?のバトルシップを遊んでいた。嘘喰いで見たやつ。
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こっちの駐車場駐輪場は前払いのとこが多いらしい。挟んでおくが、パクられることもあるため写真で記録。
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歩き方も流石やと思う。
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柳沢さんの会社、ジャパナダへご挨拶。今気づいたけどカナダのジャパンだからジャパニダ!?かー柳沢さんに突っ込みたかった〜!!
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左の可愛い箱のはお菓子ではなくボードゲーム。
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いいね。
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金谷さんの馴染みの街。楽しそうだ。
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美術展にて。熊の優しい目つきから目が離せなくなる。色合いが何とも豊か。
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冬はスキー場、夏はマウンテンバイクのダウンヒル。冬しか客を呼べなかったが、これで年中賑わう街になったとか。日本もやろうや。
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俺とAYASENさんをめっちゃマメに撮ってくれる金谷さん。普段撮る側だからとても嬉しい。
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オリンピック会場跡地。
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街のアイス屋さん。美味かったなー。
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AYASENさんはさすが音楽にいち早く反応する。
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いい笑顔や。
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ホームレスは川の歩き方も知っている。
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サーモンが遡上したりするんかな。

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なんかデカいイスではしゃぐ奴。
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打ちっぱなしがフェンスも無しで開放的。
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キツツキがオラついた跡らしい。アメリカ宜しく銃ぶっ放した跡と勘違いした。
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なんかインスタで文字入れたみたいな。AYASENさんはニンジャの前の愛車がCBR1000RRなのだ。すげーよな。俺にゃ扱う自信ない。
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美味しゅうござった。普段はうどん派だけど、濃い味のラーメンはガツンと故郷を思い出すね。

 


走行距離260km

金 晩飯5000 駐輪代500 ガソリン1300

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