ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day61 Cerro Castillo〜Puerto Rio Tranquilo】オフロード思案録

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1月20日(金)晴れ


12:06 オフロード途中の交互通行待機列

9時出発。鶏親子を撮ってガソリン入れて再び南下を続ける。

キャンプ場のトイレが紙は無いわ、そもそも汚いわで便座に座ることもできず、道路脇で野糞。こんな場所でやったのは初めて。車もチャリも来なくてよかった…。チリのトイレの便座、なんでサイズ合ってねーんだよ。それに絶対便座下ろしたままションベンしてんだろクソ野郎。んなら大自然でするわボケ。

 

またすぐにオフロードが始まり、いつものように車の土煙を浴びながら時速20km〜30kmのペースでちんたら進む。少しでもフラットな道を探して走るのだが、チャリが走った跡を見付けると何だか安心する。同じ二輪仲間としてだろうか。

 

今はメットを被りシールドも下ろして、アブにたかられながら立ったままバイクの上で書いている。20分待ち時間があるらしい。アブは絶滅させてくれ。

 

長い長いオフロードは暇だ。いや、手足も腰も目も何もかも転倒しないためにフル稼働してはいるが、意外と頭ん中はポケーっとしていたりする。

また同志達に伝えたいことなんかを考えていた。

 

そうだな、やはりこれだな。現地で装備を揃えたり途中で追加したりして旅をするのは最高に楽しいということだ。

街歩き用のTシャツやスケッチ用の鉛筆を買うだけでもメチャクチャ楽しい。俺は釣り道具を持参することに躍起になっていて結局叶わなかったが、全然現地で何とかなったし、たぶんその方が色々と都合もいいはず。ルアーぐらいは持ってきてもいいかもだけど。

 

とにかく、大抵の物は手に入ったから、お金に余裕ああれば現地で揃えて出発するのも面白いと思う。日本での愛用の装備で戦いたい気持ちは痛いほどわかるし、俺もそうだけどね。

途中の街で欲しかったり忘れていた装備を手に入れていくときの感覚は、完全にRPGの主人公の気分だ。

 

ちなみに、テントやペグは持参して良かったと毎日思っている。やはりムーンライトで旅をするのは最高だし、これで旅しないと俺はダメだと、テントに帰るたびに思う。本当に家なのだ。セローを連れて来れなかった分、こいつが一緒に来てくれて本当に心強い。

ペグも同じく。ジュラパワーペグのMADE IN JAPAN刻印が実に頼もしい。これほどのペグは他に知らないし、実際毎日助けられている。ペグとテントがガッチリ合わさって初めて、安心して眠れる住処が出来上がる。ペグはあまり豊富な種類をアウトドアショップでも見かけないため、拘りがあれば持参するのをおススメするかな。みんな何使ってんだろうな。

 

あ、水の濾過器を忘れたのは本当に失敗だった。忘れたというか、装備品リストから外していた気がする。愚か過ぎる。あんな小さいもの、頑張らなくても普通に携行できたろうに。持ってたら安心してチリの大自然の恩恵に授かれただろうに…。ほんとアホ。濾過器は売ってても焼く1万円と高価だし、ソーヤープロダクトほど使い勝手の良いものではない。

 

こんなもんかな。思い出したらまた記録しよう。

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旅人にたかるポッポ達。ひよこの声で起きるなんて平和だな。
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野糞時に藪に入ったらトゲトゲの種子が付きまくって最悪だった。日本のやつみたいに優しくなくて、皮膚を貫通してくる鋭利さなのだ。
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なんでこんな色になるんだろう。
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ほんとこの土煙さえなけりゃ…。
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濡れながらも滝で水を補充。夏で良かった。
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朝飯はトマト丸齧り。
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20分待ちの工事。あと数年もすればアウストラル街道からオフロードは無くなるのかもしれない。

 

14:29 とあるカフェ

街まで後少しのとこ。長いオフロードを走って走って、突然開けた土地に出た。ミルキーブルーの大きな湖ががんぜんにひろがり、左手には険しい岩山、右手には断崖直下に牧場が続いている。

カフェを見つけたが一旦スルー。エンパナダスの看板を見つけたためすぐにUターン。残念ながら品切れのためハンバーガーを頼んで1000円の出費となってしまったが、めちゃ美味かったのでヨシ。オリーブの塩漬け、あれは肉とアボカドと合うな。日本でも試してみよう。貧乏旅人と察したのか、コーヒーをサービスで付けてくれた。ありがとうビクトル。

アウストラル街道に店を構えていると、いろんな国の旅人と話すだろうから言葉も大変だな。しかし面白そうだ。宿を営業したりするならそういう場所に構えてみたい。日本だと何処だろうな。

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美味いけど高いね…。結局自炊最高となるのである。早くアルゼンチンで腹一杯ステーキ食いたい。
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この一本道は絶景だった。緑と湖の青と遠くの山の険しさが調和している。

 


23:01 Puerto Rio Tranquilo

カフェではあのあとオランダ人ライダーの夫婦と談笑していた。サンアントニオからオランダまでバイクを輸送して帰るらしい。R1250GSでタンデムだ。

きこくしたら結婚したいと、俺は孤独は嫌だと話したら笑ってくれた。「俺は60歳になるが、二度結婚している。若い頃は旅をするものさ」と言ってくれた。32歳は若いのか?束の間の楽しいやりとりだった。


街に着いたのは16時ごろ。オフロード走りまくって疲れたし、また次の街まで長距離オフロードが続いたら野営地の確保に苦労すると判断し、少し街の様子を見てから安全と判断し、誰も来ないだろう一等地に野営地を確保した。


裾を上げて川を無理矢理横断してミニマーケットでコーラを手に入れて、テントでぐうたら。こんな時間も久々だし、許されるだろ。


3Gだがいつもより回線が調子いいのでお母と電話した。思いのほか元気そうで安心した。

俺が先日決めたことも伝えた。理解してもらえて少し気が楽になった。そう言うと感じていたらしい。まあ、何が正解ってのは無いんだろうがな。姉ちゃんにもお礼を言わないといけない。

とりあえず、お金もちょいちょい出ていくだろうし、光生も週末帰るらしいからばーばと四人で美味いもんでも食ってきてくれってことで適当に振り込んでおいた。


お父とは、あれが今生の別れか。お母と姉ちゃんはPCR検査を受ければ面会できるらしい。まさか西村家に、こんな形でコロナの影が落ちるとはな。

今やれることをやっていこう。


明日は一日休みたいとこだが、天気が心配だな…。ねる。

 


走行距離 137km

金 昼メシ1,231 ガソリン620 コーラ312

【Day60 Coyhaique〜Cerro Castillo】走り続ける

1月19日(木)晴れ 13℃〜30℃

 

23:54 Villa Cero Castillo

今日も忙しない日だった。

8時起床10時出発。川原で馬術の練習をする親子を見てから出ていった。馬のスライド移動、READ DEAD REDEMPTITIONで見たやつだ。

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Coyaikeには12時半ごろ着き、MovistarのSIMカード購入も前回とは違って何事もなく済んだ。

この街だが、どうやら街の中心部の五角形に造られたエリアが有名店などのテナントが集まった主要な場所のようだ。街のちょっと外れに行くと雰囲気がガラッと変わって、治安の悪そうな場所もちらほら見かけた。とても近所とは思えないほど、このエリアだけ綺麗に造られていた。

 

ガソリンも満タンにしてスーパーで食糧も補充して出発。しかし60km走った後で気づいた。現金を下ろすのを忘れていた。あれだけミゲルが丁寧に教えてくれたってのに何やってんだ。手元の現金は約5万。アルゼンチンでは3週間は過ごす予定だ。余裕持って一日3千円と計算して…うん、心許ない。

数分迷った末、結局60kmを引き返して三度目のCoyaike訪問。不安を抱えてアルゼンチンを走り続けるよりは遥かにマシだからな。

 

街に戻り十分に現金を手に入れて、他にも忘れていることがないかしっかり腰を据えて確認した。バイクは問題なし。オイル交換のタイミングは問題なく国境を越えられたらウシュアイアでジャスト3000kmになる。チェーンの癖が気になるが、これまで走れているし大丈夫だろう。食糧も途中の街で手に入る。独り言で脳を活性化させた。


ついでだし先程買えなかった果物類をスーパーで買ってバイクに積んでいたら、フェリーで話した三人組の若いライダー達が道路上から声を掛けてきて手を振って走り去っていった。アウストラル街道は一本道だからこういう再会はたくさんあるのだろう。チャリダーのおばちゃんとなんて3回は会っている。

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色んなもんが売ってるお店。さすがはアウストラルで一番デカい街。
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麦わら海賊団の傘下が居るらしい。
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サザエさんのアレ。
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初めて使った銀行だが、ちゃんとRevolutが使えて助かった。いつも使ってるBranco de Chileが閉まってたから、また一泊しないといけないのかと冷や汗かいた。
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Puconで飲んだやつ。前のより粒々が固かった。やっぱあのお店のは美味しかったんだな。
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たぶんここまでのとんでもない距離表示は人生初。北海道で最長何kmだっけ?
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物凄いとこに集落がある。
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この辺りから紫の花がたくさん川沿いに咲いていてとても美しかった。
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凄まじい山達。悪魔城ドラキュラやらゴジラの背中やら連想する。

 


そしてまた同じ道を戻って、やっと先に進んで今夜はキャンプ場で寝ることにした。キャンプ場外から薪拾ってきて、スーパーでちょっと贅沢して買ったソーセージと、パンをカリッと焼いてホットドッグのイタリアーノを4つ作って腹一杯食って、熱いシャワーも浴びて髭も剃ってスッキリだ。髭を剃ると10歳は若返るから面白い。国境越えの際は身だしなみもきちんとしてから行こう。

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整備されたキャンプ場は薪も拾えなくてたまに苦労する。そんなとき帆布にはいつも助けられている。

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雑だがめちゃくちゃ美味い。金出してお店で食えなくなる美味さ。
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キャンプ場からの絶景。つっても見慣れてしまってるのだが。

 


先程のことだが、日本時間で来週水曜、1月25日の9時半からモーニングジャムでzoom会議を通して参加することになった。そろそろ何かしたいなと思って担当さんに近況報告したばかりだからな。上手くいったぜ、フフ。ナカジーさんとコハマさんと初の顔合わせになるのだろうか。楽しみだな。その日くらいは通信環境の良い街中のホステルに泊まっても良いかもな。


そして今スマホ見て思い出したのだが、「脱システムを謳う割にはスマホに依存しすぎで違和感を覚える」と吉田さんからコメントが来ていた。

全くこういうコメントにはどう返せば良いのやら!!あー言ってもこー言っても言い訳にしかならんけんさ。

脱システムは、実は日本を出る前からもうどうでも良くなっていた。旅が始まってからそれは確信となり、今のスタイルを確立するに至った。

理由を挙げれば沢山あるが、一つだけ。脱システムを模索するより、スマホを使うことで得られる体験の方が残す価値があるし、面白いと判断した。面白いならそれが俺にとっては正義だ。

そして間違ってはいけないのが、手綱を握るのは、俺だ。スマホではない、俺の方だ。

 

最後に一つ。

今日Movistarで順番を待っている時にお母からLINEが来ていたのを確認した。

お父が肺ガンで余命わずからしい。マジかよ。

知った瞬間、俺は何を考えたっけ。ああたぶん、帰るべきかどうかだな。走ってる間もスーパーで買い物している間もずっとお父のことを考えていた。俺は何をすべきか。

帰るのは、ない。そういう覚悟をして出て行ったからだ。これがお父ではなくお母や姉ちゃん、光生であっても、親友であっても同じだ。そういう覚悟をしてきた。

帰って一度旅を中断したら、また再開できるほどのエネルギーが湧く自信も余り無い。その時、俺はお父を恨むかもしれない。

そして何より、俺が帰ることをお父が望んでいるとは思えない。俺の勝手な考えだが。俺が父親の立場でも同じだろうと判断した。

そのためには、親族やお父の友人知人に後ろ指を刺されることも覚悟しなければならない。いよいよ合わせる顔がないな、田中さんや中島さんさん達には。

あと俺がやるべきは、俺が思っていることをお父にちゃんと伝えることだ。

お父に対して何を思っているか、思って来たか。それもバイクで走りながらずっと考えていた。たぶん出て行く前に書いた遺書にそういうことは書いてあるが、今、ここに生きている俺の言葉で届けなければならない。

俺の人としての在り方の多くは、お父から教えられたりお父のそういう姿を近くで見て学んだことで出来ている。それを伝えないといけない。

それにお母と姉ちゃんが俺のいない分も頑張ってくれているから、二人にも何かしなければならない。


今は大きな感情の動きもなく万年筆を淡々と動かしているが、報せを受けてしばらくは、メットの中で泣いた。まだ生きてるってのにな。

 

俺はいつも間に合わない。帰ってから旅の話を聞いて欲しい人たちに限って、俺の前から居なくなっていく。

できる限りのことをしよう。

 


走行距離 257km

金 SIM1,088 ガス2,434 食糧3,803 キャンプ場938 コーラ189

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【Day59 Puyuhuapi〜Coyhaique】オフロード地獄

1月18日(水)晴れ

 

12:44 Puerto Cisnes

10時出発。入江沿いにオフロードが始まり、アスファルトが始まったと思ったらまたオフロード。左は岩山、右は断崖で、滑って落ちたらそのまま水死するだろう道を走った。

いつ終わるのかと思っていたら、今度はいろは坂が始まった。急勾配の、しかもオフロードで。1速に入れて10kmくらいで慎重に曲がった。対向車はガンガン走ってきて土煙を上げ、その度に何も見えなくなるため一時停車。一向に先に進まない。

山を登りきったところでついに舗装路が始まってくれた。もうしばらくオフはいい。

しかし、道中の山々は絶景だった。やはりあの青いのは氷のようだ。恐らく今は遠くから眺めていた山の中を走ってきているのだろう。凄まじい景色だった。

 

そして驚くべきは海外のアドベンチャーライダーのスピードだ。あんな砂利の大きなオフロードをぶっ飛ばしていく。90kmは出てるんじゃないか?やはり経験値が違うのだろうな。俺は50kmが限界だ。

 

今は町に来て久々メットを脱いだとこだ。釣りに来たのだが、残念ながら港は閉鎖されている。ちゃちゃっとCoyhaiqueまで行くか。腹減った…。

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チリの船はなんとも可愛らしい。日本の船は漢字の名前も入ってる辺りが渋いな。
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何故か崖っぷちに牛が集結していた。
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延々と走る。
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舗装してくれる作業員の皆さんに心から感謝。本当に。
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クソ暑くてうなだれた様子。

 

22:18 

クソ疲れた。一日中走っていた。やっとCoyhaique手前まで来たと思ったらまたオフロード。なんででかい街に来た目の主要道路が舗装されてないんよ!!また土煙にまみれて2回転けそうになって…。

疲れた。本当に。まあ、景色はサイコーなんだけどさ。

 

んで野営地も三度目の正直でやっと確保。20時半だったかな?

やっと飯が食えると思ったらポリス参上。キャンプは良いけど焚き火はダメってさ。俺も慣れてきたから、あと5分で終わるから許してと甘えたら許してくれた。やったぜ。てか米

炊きよる途中やけんさ。世間話してお別れした後、腹一杯食った。今日初めての食事だった…。

明日は朝からCoyhaiqueに戻り、少し作業してからMovistarに行こう。

もう今日は寝る。よう走ったわ。

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一応記念撮影。まさかデカい街までオフロードが続くとは思ってなかったので中指を立ててやった。
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人間サイズの看板と。舗装路が始まってご機嫌な顔。
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展望台から街を見下ろした様子。
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ミートボールと米。これだけでめちゃくちゃ美味い。米は1.5合炊いた。
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野営地。

 

 

走行距離 365km

金 ガソリン784

【Day58 Villa Santa Lucia〜Puyahuapi】子犬達とヌケサク

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1月17日(火)晴れ 15℃〜27℃

9:20 野営地

8時起床。テントを片付けながら昨日のメタボンさんとの話を思い出していた。俺が伝えたいことは伝えられただろうか。そう考えながら。

日産寮の6畳の和室で考え込んでいたこと…迷っていたこと…。

 


一つは、山は逃げるということ。この考えは昔から1mmも変わらない。今自分がこうしたキラキラした夢(山)の中にいて気持ち良くなっているから適当なことほざいているわけではない(いや、この場合気持ち良くなってるやつこそ、山は逃げないなんて言うのだろう)。

山は逃げないなんて、何かに自分の在り方を賭けて挑んだことのない人間が無責任に他人に放つ、独りよがりな言葉でしかない。何度か似たような表現でこのように言われたことがあるが、「ふざけんなあんたに俺の何がわかる。俺が何を捧げてきたか知らないあんたに何がわかると言うんだ」という気持ちで一杯になった。悲しい話かもしれないが、そんな言葉を他人に掛けても何の慰めにもなりはしない。

その言葉が慰めになり得るとしたら、それはその行動者にとってのとても大切な人や信ずる人が、その言葉を掛けた場合のみだろう。しかしその人たちの顔を今思い浮かべても、山は逃げないなんて言葉を放つとはやはり思えないが。

そしてそれ以外の他人に言われて慰めになるとしたら、それは山と呼べるほどのモノではなかったと言うことだ。

確実に言えることは、行動者と血よりも濃い絆のある人間や、行動者の心の師とも呼べる大きな存在の人間以外が、山は逃げるなどと他人に掛けて良い言葉ではない。

だから俺は同志達にも、これから夢の実現のために闘うだろう若い世代にも、絶対に嘘は吐かない。過激な考えで人を傷つけるかもしれないが、俺は嘘はつかない。山は逃げる。この一分一秒の間にも。

 

もう一つ思い出したことがある。

それは、「コロナ禍後の世界を旅して、俺は楽しむことができるのか」と、延々と葛藤していたこと。

「俺が見たかった姿から大きく変わってしまった世界を旅して、俺は本当に納得を得られるのか?」「もし納得を得られなかったら、自分に失望して終わるだけではないか?であればこれ以上足掻く意味はあるのか?」

日本がコロナによって大きく混乱し始めた2020年春。日産自動車九州も3月31日から5がつまつまで工場が停止し、約2ヶ月間自宅待機となった。その間、旅のためにやれることを模索しながらも、そう悩みながら過ごしていた。あの時は笑うしかなかった。


だからこそ今同志達に、過去の自分に伝えたい。俺は楽しめていると。

日本人だから日本と比べるが、やはり海外は日本と比べてコロナの影を見ることなくコロナ前の元の暮らしを取り戻しているように見える。だがあくまで、ただの旅人である俺が行動する範囲で、だ。

それに俺自身は、ということだ。旅人によって旅のスタイルは違うし、旅に求めているものも違う。

だから言いたいのは、俺は存分に嘘みたいに楽しめていると言うこと。俺の旅のスタイルに似た人や、求めているものが似ている人がいれば、俺は毎日楽しくてたまらないよと伝えたい。

 


と言ってもやはりこの葛藤は難しいもので…。自分で言っておきながらなんだが、顔も知らない会ったこともない他人の言葉など何の足しにもならないのが現実だろう。

だからもし、こういった心の問題で苦しんでいる誰かがいるとするならば、その人の背中をそっと優しく押してくれるに相応しい誰かに出会ってほしいと願いたい。俺の場合は高橋さん(師匠)がそうだったから。


さて気付いたらもう10時だ。こう言う気付きなどはいつもバイク乗ってる時などすぐに記録できない状況で浮かんでくるから厄介だ。もう洗濯物も乾いたろう。10時半には出るか。

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朝飯はスニッカーズみたいなの。夏の暑さで溶けてしまうのが難点。
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自慢のペグとケース。ペグに赤いパラコードを紛失防止の目印としてと、引き抜き易さの向上のために付けている。
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バッテリー類の交換も朝の作業。ミラーレス一眼は大体三日もすれば交換している。
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大木の上で書く自分を記録。

 


13:58 La Junta 10km手前のお店

運転中蜂が眉間に飛び込んできてそのまま刺された。強毒の蜂じゃないかとヒヤヒヤしたが、蜜蜂だったようだ。野営地でもたくさん見かけたしな。

今はオアシスで至福のときを過ごしていたとこだ。

フードトラックでホットドッグのイタリアーノを頼んだらお釣りが明らかに足りない。どゆこと?と聞くと、ハンバーガーのイタリアーノと勘違いしていたようだ。今度から気を付けよう。


食いながらチャリダーやテネレ1200のライダー達と談笑していた。俺の風貌がとてもバイク乗りの旅人らしくて凄く良いと言われたが、褒められてるってことだよな?ジーンズにTシャツ、ジャケットはマウンテンパーカー、革の手袋に革のブーツと古いスタイルだからかな。

そう言えばチリで出会うバイク旅人でこんな格好で走る人はまだ見ていない。となるとアレックスの革ジャンにミリタリーパンツに革手袋にミリタリーブーツのスタイルも、この国ではマイノリティなクラシックスタイルなのかな。

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道中の景色。山脈が横に広がる。
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またボウズ。
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でかいイタリアーノ。
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ライダーにチャリダーに集まる。海外ライダーのほとんどはこんな一張羅で走っている。

 


オアシスには子犬の群れがいた。

もしやふれあえるのではと彼らがいる家の近くにそっと見に行ったら、フツーに放し飼いにされている!!ズームレンズでその様子を撮っていたら1匹に気付かれ、すると全員こっちを凝視して動きが止まった。すると次の瞬間!!

桃源郷はここにあり。

子犬の群れに襲われてみたいという小さな夢が、また一つ叶った…。Goproに写真にスマホ動画にとしっかり記録も残した。最高だった…。

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三連コンボ…可愛すぎる。目が合うと突っ込んでくるので、焦点距離を保つのに苦労した写真達。犬や猫のサイズは単焦点の45mmと相性がいいな。

 


最後に橋の下の美しい川に釣りに出かけたが、またボウズだった。でも景色がすごいから日本でのボウズのようにひどく残念な気持ちにもならないんだよな…。毎回新しい釣り場で新鮮な気持ちでできるってのも理由の一つだろう。

さて、あと一回モフってから行くか。

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大木の上に乗って釣りをするのも日常的になってきた。
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釣り場の色んなギミックで遊ぶのも面白い。

 

 

 

23:27 Puyahuapi

18時ごろこの街に到着し、もう遅いし野営することにした。

湖畔に設営し、コーラとポテチをキメながら今期アニメのヴィンランドサガを観賞。ブログ作業もこなして、沈みゆく夕日を眺めていたら……あれ、水面が迫ってきている?

ここは海だった。俺はアホか。

よく見たらその辺の岩にフジツボが付いているし、奥まった入江というだけで立派な海の一部だ。雑草が海水に沈む場所でも元気に生えているから騙された。恐らく汽水域だからだろう。

話しかけに来た地元の老紳士に「ここは沈むかい?」と聞いたが、彼は大丈夫だと。いや、これは恐らく死亡フラグだと判断し、過去にない早さで撤収した。

危なかった…。もし早くから酒でも飲んで泥酔して早くに寝てしまっていたり、満潮が深夜で潮の動きに気付かないまま寝ていたらと思うと…。本当に笑い話ではないな。

今生きているのは偶然と言える。二度と同じ過ちは犯すまい。

 


寝る前にカメラからスマホに写真を取り込んだが、昼間の子犬達は本当に死ぬほど可愛かったな…。良い写真も撮れた。ねる。

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山水をいただく。水暫く買っていないな…。
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この日に初めて、空気穴に弁があることに気づき、一気にこのエアマットの素晴らしさを理解した。

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実際これを海だと地図無しで判断できる人は少ないだろう。フジツボがなかったら無理。f:id:fasasabi:20230122051107j:image

夕マヅメだし投げてみたがダメだった。
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元の野営地を見に行ったら今にも沈みそうになっていた。

 


走行距離 159km

金 食糧1,271 ガソリン1,091

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【Day57 Chaiten〜Villa Santa Lucia】アウストラルの洗礼

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1月16日(月)晴れ


16:09 Villa Santa Lucia

休憩中。アウストラル街道は中々に過酷だ。何がかというと、尋常ではないアブの攻撃だ。もはや肌を露出した状態では路上にでも数分と経っていることができない。道中いくつか良さげな釣り場に出会ったが、とても釣りなんてできない。全身布で包んだとしても、7~8匹に一度に襲われたら羽音が不快で堪らなく、とても無理だ。だからそんな状況で1匹釣り上げたのは奇跡に近い。

このアブ地獄を人力で移動する旅人には頭が下がる思いだ。試してみたのだが、アブは時速20kmていどまではしつこくついてきた。これでは旅の道具を積んで重くなった自転車では振り切れないだろう。「吉田さんや吉原さんはこの中を人力で移動していたのか」と驚愕しながらバイクを走らせていた。

 

今朝は6時半からメタボンさんとLIVE配信で旅の話をしていた。

メタボンさんが上手く質問してくれて引き出しを開けてくれるから、良い具合に進行し面白いものになったと思う。飯食いながらですみませんでした。またやりましょう。

さて、溜まった動画をYouTubeに投げているが、この後はどうするか。

アブはクソだが、いい天気の中絶景を走れるのは最高だ。

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Chaitenの朝の風景。
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アウストラル街道は看板の数字もでかい。
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馬が道路上にいるのにももう見慣れて驚かなくなった。
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釣りしたくても降りれなかったり柵があって入れないこともしばしば。
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釣りに降りたがアブの猛攻で退散。あの不快さは思い出すだけでも最悪な気分になる。
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いつか撮り逃したハゲワシをやっと撮ることができた。しかしほんとは野犬の死骸を漁っているところを撮りたかったのだが、運悪くチャリダーが近くを通って逃げていってしまった。
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たかってくるアブを皆殺しにして得られた僅か二分程度の静寂の内に釣り上げた1匹。めちゃくちゃ良い釣り場だっただけに、アブが憎くてたまらない。
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あれは氷河?雪ではなく氷のような青い色に見えるが…。わけわからんスケールだ。
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あんな山でも登頂されているのだろうか。登山家はイカれてると改めて思いながら、美しい山を見つめていた。

 

 

22:28 Lago Yelcho

近所の湖まで野営に来た。

町では5Gバリバリだったが、さすがにここは圏外。アウストラル街道は町以外は圏外と思っていた方がいいだろう。

湖には先客のチャリダーや家族連れが何組かいた。秘密基地感のある誰かの野営跡を借してもらった。晩飯はアサリの缶詰と米。これで缶詰も最後だ。食後のお湯にマギーブイヨンを入れたら、具なしでも普通に美味かった。お湯を沸かすのは汚れを落とすためでもあるのだが、こうも毎回焚き火が上手くいくとなると食後のコーヒーや紅茶も欲しくなってくる。 

今度紅茶のパックと蜂蜜を買おう。蜂蜜はお湯に溶かすだけでも美味い。もちろん『神々の山嶺』の深町の影響だ。

 

時間もあったので、湖に足首まで浸かって体を手ぬぐいで拭った。チャリダーの三人組は、日も落ちて強風も吹く中湖に浸かって体を洗っていたが、寒さへの耐性が違うのだろう。こと寒さに関しては九州人は弱いものだ。三人のうちの一人の姉ちゃんがパンツ一丁の半裸で水浴びしていたのには笑った。海外は大らかだと聞いてはいたが。

 

そびに関してだが、まず、帽子とバグネットは必須かもしれない。ネットはあるのだが帽子を忘れてな…。素直に持ってくりゃよかった。

そしてサンダル。KEENのNEWPORT H2はオーバースペックだっったかもしれない。野営時以外は殆ど履いていないのだ。現地で必要に応じてビーサン買うくらいの気持ちでよかったかも。アレックスを見ててもそう思った。

さて、もうねよう。明日もしっかり移動かな。

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秘密基地感溢れる野営地。
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薪を拾うのにこの帆布は必須。持ってきて良かった。
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日が落ちてからの洗濯だが、天気がいいから朝日を1時間も浴びればパリッと乾く。
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謎の骨。
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向こうの山脈に手前の山脈の影が伸びて行く。
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晩飯。頭寒足熱。溜まっていた焚火の灰を足に刷り込んで消臭に使った。焚火の灰はクッカーの汚れ落としなどにも使えるため、着火が面倒ではあるがその分焚火が旅人にもたらす恩恵は多い。
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この旅で初めて、焚火を楽しむためだけに焚火をした。やっぱりいいな。

 

 

走行距離115km

金 コーラ150

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【Day56 Hornopiren〜Chaiten】船旅思案録

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1月15日(日)晴れ

9:06 Hornopirenフェリー乗り場カフェ

6時半起床。結露でビッショリのテントを公園の健康器具を使って乾かし、フェリー乗り場へ。折角の船出のため、少し贅沢してカフェでカブチーノとエンパナダスを頂いて朝飯とする。カフェのお姉さんが、「ケタール?」と言ってくれたので、「ムイビエン!ケタール?」と返したら「ムイビエン、グラシャス!」と返ってきた。なるほど、最後にグラシャスを付ければより良いのか。アレックス達が教えてくれた挨拶をやっと実践で使うことができて嬉しかった。

鳩羽にはチャリダーにライダーに、様々な旅人達が集まってフェリーの到着を待っているところだ。飛行機乗る時もそうだが、同じ目的を持った者達が1箇所に集まるのは楽しいものだ。案外コミケとかの楽しさもこれと同じだったりして。

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朝から長年お世話になった思い入れのあるエアマットとのお別れ式を済ませた。これはサイズ比較。さすが高いだけあり同サイズでもコンパクトだ。
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空気の入れ方。これを理解したのはこの2日後。
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ベッドメイキングするとこんな感じ。ちょっとだけ長くなった。
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空気漏れの箇所をナイフで切って確かめてみたら、やはり剥離して表面とウレタンの間に空気が入っていたようだ。
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まともなとこも切ってみたら、ピッタリ綺麗にくっついていた。
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さよなら…。2014年に先輩方と友人達がお金を出し合って誕生日にプレゼントしてくれた、思い入れのある道具だった。

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テントからの景色。
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毛皮は丸めてドラムバッグに入れることもできる。
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朝日でガンガン乾いていく様は爽快。
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このメニュー表は凄くありがたい。色んな国の人間が集まる場所のカフェだから気を遣ってるのだろうか。
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これで千円。まあ場所代も含めればってやつだ。
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カフェの様子。みんなこれから始まる船旅にワクワクしてるのが伝わってくる。

 

 

11:32 フェリー客室内

さっきは突然インスタライブを思い付いて始めてしまった。懐かしい人たちから反応があって嬉しかった。ママさん達ともちゃんと会ってから出て行きたかったんだがな。けんと飲むのも帰国後の楽しみの一つだ。おすすめの居酒屋で頼むぜ。

インスタライブは、「野糞の話はまた今度」と言って終了させたのだが、すぐに懐かしい人から「野糞話楽しみにしとるぞ」とLINEが来た。けいすけ…先輩の方のけいすけさんだ!!すぐに電話してお互いの近況を話した。長崎に戻って来られたと言うので、来年帰国後NiAS同窓会を頼みますと言ったら、任せろと言ってもらえた。この頼もしさ、久々だぜ。そして海外に居ても話題に上がった本間さんは幸せ者だ。絶対仕事辞めない方に10000チリペソ賭けるぜ。

 

話していたらフェリーの出航時間が来たため、急いで会計してバイクに戻った。インスタで今まで見てきた、絵に描いたようなアドベンチャーライダー達に並んで乗船した。

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一番左に並んで、何だか俺が先頭みたいになって笑った。

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日本でもよくお世話になるタイプのフェリー。
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車両甲板。日本のように丁寧にロープで固定してくれないので、倒れないようにドラムバッグとバックパックをリヤキャリアから下ろして、ドラムバッグを支えに使った。サイドスタンドがちょっと短くて、駐車場所に気を使うのが悪いとこだ。
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みんなニコニコしている。バイクから伸びている謎の棒はInsta360だった。運転していて目障りすぎないか?

 

船が出港してから90分経ったが、船の上に乗っているのを忘れるくらい揺れもなく快適に過ごせている。客室内が何故かクーラーが効いて寒いが、座席にもテーブルが付いて眺めもいいし、なんと電源まで貸してもらえるのだから文句はない。トイレも沢山あり清潔で、売店もあるから後でポテチとコーラ食おうかな。圏外のため日記も捗るというわけだ。

折角の時間だし、何か特別なことでも記録しておくか…。

 

旅人の心情

さっきの白濱さんとのやり取りで思うこともあったので、少し深掘りして記録しておきたい…。

 

白濱さんは福岡に住んでいる時も会って旅の計画を話して応援もしてもらえたし、コロナ禍になってからも何度か電話やビデオ通話をしてお互いの近況を話したりさせてもらっていた。そんな先輩に、出発前も、旅が始まってからも連絡することができなかった。

それは何故か。

 

それは、単純に遠慮していることが一つ。やはり家庭のある友人知人には連絡しにくくなるもの。

それは何故か。

 

それは、自分の旅の話を聞く余裕など無いのではないか、と勝手に考えてしまうからだ。

何故そう思うのか。

 

これは少し飛躍した話かもしれないが、それは、自身の旅など現代社会では遊びにしか過ぎない、価値のないものだからだ。アレックスと話したように、俺たちは一般的に普通と呼ばれる、多くの人達が歩むだろう生き方とは異なる道を歩んでおり、それはとても特別で面白いものだ。

しかし、それは実際に体験している当事者だから言えることであり、他人から見ても俺たちが内に抱える葛藤や信念などは見えないし感じることもできないのだ。

それは俺たちが人間である限り仕方のないことなのだ。悲しいことではない。

 

だから俺は記録を残す。後に俺が神の視点で過去を振り返るためでもあり、リアルタイムに他人に読んで見てもらうことによって、普段の会話ではとても伝えきれない思いを伝えようとする。

何故伝えたいのか。

 

それは当然、大切な人たちには自分の熱いものを、旅に込めた思いを知って欲しいからだ。その人達が大切だからだ。理由などその一言で十分だし、そもそもこの欲求は理屈で表せない、人間として当たり前のものだ。

 

話を戻そう。

そう言った理由で、大切な人に言葉を届けられない旅人も多いという話だ。

 

もう少し話をしようか。

 

 

準備期間も、旅

準備期間内の4年間で、掛けられて最も嬉しかった言葉は、「今までよく頑張ったよ!おつかれ!」という、出発の日程が確定したことを報告した際に友人がくれた言葉だ。一見するとまるで旅から帰ってきたかのような言葉だが、その言葉は当時の私が何よりも欲していた言葉だった。

 

何故なら、それほどに、その準備期間の4年間が長く長く、大変なものだったからだ。

余りにも大きな困難が、一度ならず二度三度と起きた。その度に同志達と励まし合い、計画を見直し、果ては一から立て直し、次々に生まれる葛藤にケジメをつけてやっと、出発の日が決まったのだった。

だから嬉しかった。「そうだ、俺は頑張ったんだ…」と自分を素直に褒めることができた。理解してもらえたようで、救われた気がした。

だから私がもし、これから同志を見送ることになったら、同じ言葉を心からの賛辞を込めて届けたいと思っている。

これからその機会を私に与えてくれるであろう同志は現時点でも何人かいる。その全員が、例外なく苦しんでいることを私は知っている。一生懸命、自身の夢にケジメをつけようとしている。このコロナ禍で何度も挫けそうになりながら…。

 

大変なのだ、夢を見続けるということは。

「バイクで世界を走る」という行為は、金と時間さえあれば叶えられるものだから尚更…。

呪いで終わらせないために常に情熱を持ち続けるのは、本当に本当に、旅をすることの一億倍大変なのだ。彼らは頑張っているんだ…。

だから私は、彼らの出発が確定した時は「お疲れ様でした」と、まずは一言届けたい。

 

 

 

記録を残す理由

この点についても深掘りしたい。

前述したように、大切な人たちに自分の何かを感じ取ってもらえたら嬉しい、というのがまず一つ。

二つ目。これは日記、ブログについてだが、私の記録を読むことで「こんなバカでもこんな旅ができるのか」と思って欲しいからだ。

海外バイク旅の世界を深く知る前は、そのような旅ができる人たちは、私なんかでは到底敵わない、神に愛された超人達と勝手に思い込んでいた。英語も当たり前に話せてお金も持ってて…。

だが、そんなことはないと、雑誌で藤原かんいちさんの存在を知ったり、WTN-J(ワッツー)の記録を集めた海外ツーリング読本を読んだり、リヤカー旅の吉田正仁さんの本を読むことで知った。

その普通の人間が何とか頑張って旅をしている姿に私は大きく勇気付けられ、旅に出る自分を具体的に想像できるようになってきた。

だからブログのタイトルは「ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録」なのだ。ただの男なのだ。普通の人間が普通に旅をする姿を見てもらうことで、「俺にもできるかもしれない…!」と思って欲しいのだ。

それが私が、準備段階の時点からブログを書き続けている理由だ。

 

 

日記をそのままブログで公開する理由

個人の日記こそ極上の記録だと思っているからだ。

以前触れた神々の山嶺における羽生丈二の手記を読んでそれは確信に変わった。だから私は他人を知るためには他人の日記を読むのが一番だと思っている。嘘偽りなく飾らず、他人の目も意識していない個人の人生の記録は、この世で最も面白い読み物の一つだと思っている。

だから私は日記を公開する。他人のを読みたければまずは自分から公開するのが筋でもある。

そうすることで、それが実際に他人の目から見て面白いものなのかどうかを旅が終わった後に知ることができる。

私が目指すのは、神々の山嶺の羽生丈二が命の限り書き残した手記が持つ「心の熱」と、『Read Dead Redemption』の主人公アーサー・モーガンが、新しい時代に移りゆくアメリカ西部を彼なりに静かに見つめていた「世界を見る目」である。

 

 

23:30 Chaiten 砂漠野営地

今日2回目のフェリーを降りた後は、街に着くまでまさかの全てオフロード。

何度か危うい場面もあったが、役60km完走できた。

街に着いたのは18時。もう遅くなるし、ガソリン入れてポテチ食ってビール飲んで野営することにした。通信も5Gだし、明日のメタボンさんとのLIVE配信は問題ないだろう。ねる。

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出港。この瞬間はやっぱりワクワクする。
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絶景が延々と続く。
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険しそうな山。
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自撮りするおばちゃん達は日本と一緒だな。
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様になってる兄ちゃん。
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何やら絵を描いていた人。いいね。
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ダニエル・クレイグ似のライダー。ヨーロッパ系の顔はほんとかっこいいね。
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これも自撮り。
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こんな感じでご丁寧に充電スペースが用意されている。
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二度見した。人形かと思った。

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暖かい外でジュースとポテチをキメる。
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仲良くなったアンドリューと。写真家らしく、俺のOLYMPUSのカメラを素晴らしい素晴らしいと褒めてくれた。

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彼はロイヤンエンフィールド乗り。渋い。
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ん?と思ったらKOMINE!どこで手に入れたんだろ。

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下船。ヒッチハイカーもたくさん乗っていた。
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チャリ乗りは尊敬してる。頑張れ〜。
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なんかようわからんがとりあえず記念撮影。f:id:fasasabi:20230118101947j:image
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雄大な自然の中をひたすら走った。街の看板が見えた時は安心した。

テントに謎の動物の毛がついていたが、これは馬のものでは?

 

 

走行距離 89km

金 カフェ1,097 食糧763

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【Day55 Puerto Montt〜Hornopiren】アウストラル街道へ

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1月14日(土)小雨時々曇り

6時起床。ニャンコロとお犬様に挨拶してキキをモフりながら撤収。

深夜、危機が落ち着いたらと思ったら今度はイヌッコロが近所の犬どもと遠吠え合戦を始めて地獄。テントの周りをハアハア言いながら走りまくるしで、まともに寝れないまま朝を迎えた。

まあ、一夜明けてみたらこいつらのあまりの可愛さに昨夜のことも許してしまうわな。犬の遠吠えは本能だから仕方ない。

家主のキティさんにお別れして、アウストラル街道へ戻った。

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こがん懐かれたら怒るもんも怒れんわ。
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白猫ちゃん。こいつは品があって落ち着いていた。
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キティさんと。今見たらファンキーな容姿の方だなぁ。
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絵になるなぁお前は!
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個人的に最高の写真。私は黒猫ですって顔しとる!草花と明るい色と彼の黒と目の色が実に合っている!可愛いやつだこんちくしょうが!

 

 

ぼーっと走っていたらいつの間にかフェリー乗り場に着いてしまい、1000円ほど払ってそのまま乗船することになった。瀬戸内海、広島県竹原市忠海町にあるような、短い航路を1日に何度も往復するような小さなフェリーだった。フェリーの振動でバイクが倒れないか心配だったが、波のない穏やかな海で船も安定しているため、バイクを離れて甲板に上がって景色を眺めた。

フェリーは1時間もしないで到着。通信の良い道端で光生(弟)とBLEACHの原画展や水星の魔女の話をしていた。ベルセルクの原画展も福岡で開催されることを思い出した。なぜ俺が日本に居ない時に…。

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フェリー乗り場。バイクが先頭なのは全世界共通なのだろうか。
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割としっかりした客室。
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この写真だけ見たら、まるで大久野島に向かっているようだ。
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それらしく一応写真を撮ってもらう。いろんな角度から撮ってくれる気のいいおっちゃんだった。

 


話していたらまともに降って来たため、今回初めてブーツカバーを履いて走った。だが少し走ると良い感じの釣り場に出会ってしまい、カッパ(日本では、レインウェアをKAPPAと呼びます)着たままちょっと投げたが(投げるとは、ルアーを投げるという意味)成果なし。旅先でもとんだ釣りキチになっちまったな。おかげで一向に先に進めない。

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信じられんほど透明な川で。水至って清ければ、則ち魚なし。

 


雨は降ったり止んだりしながら、13時ごろにHonrnopirenに着いた。ここから再び、今度はそれなりの長距離をフェリーで移動するのだが、調べてみると船での移動に3時間から4時間は掛かりそうだ。今から乗ったとしても向こうに着くのは夕方となり、野営地確保に少々不安がある。この街で一泊し、明朝フェリーに乗ることにした。


適当な公園の砂浜を野営地しにて、テント設営後、乗船予約のためにフェリー会社の事務所を訪れた。翻訳しながら何とか無事にチケットを確保し、一安心。明朝10時出港のフェリーに乗ることになった。しかしこれだけの移動距離で1500円は安い。

それからはブログ書いたりして過ごした。明日も早い。ねよう。

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小さな事務所が港のそばにある。簡単に買えてよかった。ミッチに予約したと話したら、「俺より賢い!」と返事が来て笑った。
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料金表を見たら少しビビったが、受付で何度も確認したし間違いないと、自身を安心させて野営地に帰った。
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ミニマーケットで気まぐれで買ったパンが思いの外ガッツリ目のパンで、晩飯になってくれた。

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アウストラル街道に入ってからガソリンは貴重となり、このような行列も珍しくない。
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この街でも地図見て釣り場探して釣り。
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なんかお祭りみたいなのがあってた。学校の何かっぽい。写真2枚目の少年の表情が良い。

 

走行距離135km

金 フェリー1回目1,177 フェリー2回目1,574 ガソリン1,142 コーラとポテチとパン773

 

【Day54 Ensenada〜Puerto Montt】わんにゃんパニック

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1月13日(金)くもり時々晴れ

15:29 Puerto Montt Restaurant La primavera

10時出発。朝食もガッツリ食った。昨夜食ったミートボールの缶詰、あれは良いな。肉系の缶詰は珍しいのか、あまりスーパーで見掛けないのが残念。今度見つけたらいくつか買い溜めしよう。

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野営地Ensenadaまでの道。またしてもチリ富士が現れた。
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絶景を前に簡単に野営ができるチリは、海外ツーリング最初の国として確かに適しているのかもしれない。バイク手に入れることの難しさを除けば、ね。
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ミートボールの缶詰。アボカドは本当に何にでも合うなぁ。
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こんな感じ。湖畔での野営がすっかり板に付いてしまった。

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久々ズームレンズに切り替えて撮影。

 

 

Puerto VarasではPuconでもお世話になったアウトドアショップ、Volcanicaでエアマットを手に入れることができた。店員さんのお兄さんが丁寧にそれぞれの違いを教えてくれたので助かった。当然商品の説明書きは英語なのでぱっと見わからんのだ。しかし3万の出費は痛かった…。まあ、しゃーない。すぐに元は取れるさ。

シングルバーナーも置いてあったので買うか迷ったが、また先延ばしにすることにした。今は困ってないからね。

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SEA TO SUMMITのエアマット。信頼できるメーカーだから決断した。しかし、当たり前にモンベル製品を買える日本は最高だと思う。

 

 

折角駐車料金払ってるし、街の観光も少し楽しんだ。この街は今までの街よりも建物が一際美しい気がする。高低差のある街の造りも、その美しさに一躍買っているようだ。砂浜では水鳥の親子の可愛らしい姿も見られた。露店での買い物も楽しんだ。アーモンドを甘くカリッと焼いたやつ、めっちゃ美味かったな。

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建物が全体的に可愛らしい感じ。
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お母さんも大変ですねって気持ちで撮影。学生時代に屠殺した合鴨達を思い出した。
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水鳥達と触れ合いたい女の子達と、それを見守る親御さん達。
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なんかの遺物?説明書きがサッと読めないのが辛い。
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広場にはブリキのアート。
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カジノか!?憧れるがポーカーさえわからんのでまた今度。
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小分けのナッツはありがたい。スーパーで買うと多いし高いんだわ。
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ナイスデザイン。あと1ヶ月は髪は伸ばせるだろう。
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定期的にNARUTOの人気を確認。
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アーモンド屋のおっちゃん。
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ハンドメイドのお店はいつ見ても楽しい。
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我らがmakita!日本の建築を支える大手メーカーを海外で見ると嬉しくなる。ニシムラ住宅はインパクトはHITACHI派やったけどね。

 

 

バイクの点火系の調子が悪いため、念のため予備のスパークプラグを持っておくことにした。Puerto Monttの手前にバイク屋さんを見つけたため聞いてみると、簡単に手に入った。5000チリペソだから、日本円で775円。日本よりだいぶ高いがしゃーない。日本から来たと伝えたらとても興味を持ってくれて、三人で写真を撮って別れた。

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トイレも貸してくれてサンキューね。

 

 

Puerto Monttにはすぐに着いた。雰囲気的には海のあるサンティアゴって感じだが、高層ビルなどはない。若田さんに聞いていたよりは栄えていなかった。

海の方まで来たら観光客相手の土産物屋がたくさん並んでいたため、記念に海鮮料理を食う前に少し散策することにした。

例の如く、街の名前の入った革のブレスレットを買って、帰ろうと思ったら店の隅っこに毛皮を発見した!!約3000円と、エアマット購入のため大金が出て行った後でもあるので数分迷ったが、これもまた小さな憧れを叶えるチャンス!!毛皮を持ってニコニコしてレストランに入って今に至るわけだ。

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サムライソード発見。帰国したら木刀買ってアレックス達に自慢しよう。いや、送ってやるか!
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チリでも干し柿みたいなのをたまに見かける。今度食ってみよ。
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2枚目はお香立て。アジアンな香りが漂っていた。
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久々の海。海育ちだから潮の香りがすると落ち着く。

 

 

レストランでは若田さんオススメの海鮮スープを味わいたかったのだが、残念ながら品切れ。店員さんオススメの蟹を食った。美味かったが、不味い蟹って存在しないだろうしな…。約2000円。正直複雑な気分だ。そもそも食い方わからんし…。大抵の場合メニューに写真があったり食品サンプルがお店の入り口に並ぶ日本は、やはり色々と気の利いている国なのかなと思う…。

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英語が少し話せる、呼び込み兼ウェイターの兄さんと。ベネズエラからチリに越して来たらしい。理由を問うと、「Complicated…」と。わかるぜ。

 

 

22:55 Puerto Montt キティさん宅中庭

正直、中々に散々な夜かもしれん。テントのインナーに2箇所小さな穴を見つけた。黒猫の子猫のキキ君のクレイジーっぷりにはウチのコムギにも勝るな…。

 

19時ごろ夜営予定の馬のいる砂浜で飯を食っていたら、キティさん親子が近くを通った。この辺で野営しても大丈夫かと聞いたところ、問題ないが、よかったら家の中庭を貸すよと言ってくれたので、折角だし甘えることにした。

家に行くとでかいお犬様に歓迎され、庭には黒猫2匹と白猫1匹!!存分にモフった…。この時は可愛くてたまらんだけだったが、その内の1匹のキキがテントに体当たりするわ、爪立ててクライミング始めるわでテントぶっ壊されるんじゃないかと思いとても落ち着けるはずもなく…。もう砂浜に戻ろうかとも考えたが、ご厚意を無下にしたくないし、悲しませてしまうのではと思い、今に至る。

今はキキも落ち着いてテントは平和だが…。穴は様子を見て何らかの手段で必要に応じ補修しよう。今夜は物音立てずにもう寝よう…。

雨も降るわiPhoneもフリーズするわでFUCKだわ。まあこんな時もあるわな。

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いよいよアウストラル街道の看板が出てきた。
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反対側はプエルトモント。
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野営地予定だった草原のお馬さん。馬が見せる仲良しな姿にはほっこりする。
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毛皮を載せて大きくワイルドになった相棒。ちなみに相棒の名は「Volare(ボラーレ)」。もちろんジプシー・キングスの影響だ。
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一頭でも存在感のあるセントバーナードが、三頭。RPGの隠しダンジョンのボス戦みたいだ。

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馬から近づいてくるから割とビビる。蹴られたら死んでしまうからね。
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現れた少年達。牧場の子供達かと思ったらただの通りすがりだった。
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夜が近づくと牧場の方が来て数頭引き連れて帰っていった。この日は、水鳥に馬に犬に猫にと動物と触れ合いまくったな…。

 

 

 

 

走行距離 105km

金 エアマット30,000 毛皮3,000 昼飯蟹2,500 スパークプラグ770 ガソリン1,650 駐車料金158

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【Day53 Lago Lanco〜Ensenada】釣りキチに捧ぐ

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※『釣りキチ(TURIKICHI)とは、釣りに狂っている者(Crazy angler)』の意味。

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また、『釣りキチ三平』は日本が世界に誇る釣りの名作漫画である。作者の矢口高雄先生ご自身が建てられた、秋田県横手市増田まんが美術館ではその名作の芸術とも言える原画を全身をもって体験できる。日本人のみならず、海外の漫画好きの方にも是非とも訪れて欲しい場所だ。

 


1月12日(木)曇りのち晴れ 10℃〜27℃

20:49 Ensanada 砂浜野営地

6時半に起きて10時にキャンプ場を出た。Felripeさん一家はまだ寝ていたので、後でお礼のメッセージを送ることにした。本当にお世話になりました。

 

今日は移動だけの日と決めていたのだが、一つ記念すべきことがあった。

トラウトを釣って、その場で食った!!食えるサイズだった!!

あまりにも寒いから昼飯食って体を暖めようと、途中のかわで焚き火して米を炊いていた。何やら釣り人が何人か見えたので、米が炊けるまでの間に俺も釣りをすることにした。

そしたら2匹目に20cmちょいのを釣り上げたのだ!!5秒くらい引きも楽しめた。

食おうか迷ったが、偶然にも火もあるし米も炊いているし、何より人生初の体験となるために食うことにした。

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これは1匹目。明らかに反応が他所の釣り場と違った。川魚も活性が高ければライズするんだな。

 

うろ覚えで〆て、エラと内臓を取って、鱗も落として(トラウトって鱗がない?全然海の魚のような手応えが無かった)洗って、適当に尖らせた木の枝ぶっ刺して串焼きにした。ところが身が柔らかいのかずり落ちてきたために、弱火にして直に炭の上に置いて焼いた。寄生虫も怖いのでしっかり焼いて、塩も振って数分…。

実食!!美味い!!なんて身の柔らかさだ!!綺麗なサーモンピンクの色をして、脂が滴っている…。川魚特有の臭みも無くなんて芳香な香りだ!!トラウトってこんなに美味かったんだな…。

日本ではこのようにトラウトを気楽に狙える環境は希少だ。場所もなければ、あっても釣り魚券の存在が大きな壁となる。

だから海外発のこの魚を、旅の最中に釣って食うことに憧れた。

だから日本の山の中の観光地で一尾400円とかで売ってる塩焼きにも決して手を出さなかった。自分で釣った時の喜びのために、だ。

それが今日叶った!!

小さな憧れを達成できた!!

伊達に幼少から釣り人を続けていない。プライドもあった。これで釣り人としてまた成長できた!!

この喜びを真っ先に誰に伝えたいか考えた。やはり同じく釣りを愛する者にだろう。

となると、やはり爺ちゃんだな。俺に釣りを教えたのも、ルアー釣りを始めさせてくれたのも爺ちゃんやしな。

イシガキ鯛日本記録保持者の爺ちゃんと言えど、海外でトラウト釣って食ったことはなかろう!!

やってやったぜ、すげーだろ。ブラックバスさえまともに釣ることができなかったガキが、海外でトラウト釣って食ってやったぜ!!

よっしゃー次は30cm、そして40cmオーバーだ!!

待ってろアウストラル街道の魚たちよ!!

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腹を割いて内臓とエラを引っ張り出す。今見たらまだ血合が残ってるな。
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ナイフで鱗取りをした後の模様。本当に綺麗な魚だと思う。太刀魚を初めてルアーで釣り上げた時も美しいと感動したのを思い出した。
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それっぽく撮るも全然上手く焼けず。
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これでも身が落ちてダメだった。あとで弟に聞いたら、骨を縫うように串打ちするらしい。奥が深い…。
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本当に感動した。釣りで何か大きなことを達成した時の感動は特別なものだ。初めてルアーで釣った魚が太刀魚だった。中学生の時、爺ちゃんが牧島の手前の漁港に夜釣りに連れて行ってくれた時のことだ。3匹ほど釣れて、帰ったら婆ちゃんが刺身と唐揚げにしてくれた。死ぬほど美味かった…。あの感動をまた味わうことができた。釣りは最高だ。

 

 

走行距離 181km

金 0円!!!!!!!

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【Day52 Lifen〜Lago Lanco】20日ぶりのシャワー

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1月11日(水)晴れ 10℃〜23℃

13:17 Lago Lanco Las Vigas Restaurante

なんと野営地を出たのは11時30分。どんだけのんびりやて。

実は4時ごろ目が覚めたのだが、スマホを見たらメタボンさんたちが「ゆーしろうの野営スキルはこの4人の中で飛び抜けている…!!」なんて俺が喜びそうな褒め方してくれてるから、俺も会話に混じって野糞の話などを展開させた。

野糞スキルと問うたが、実際に技量が必要とされる旅の日常動作だと思う。水か紙か。それらはどこで調達するか。タイミングは朝か夜か、それとも不定期か。不定期ならどう対処するのか。人目につかない場所とは何処か。何秒で済ませられるのか。

数多の経験を積み洗練されていく所作だ。はるかさんとメタボンさんは答えてくれなかったな…フフ。

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実は数日前からエアマットがどえらいことになってる。内部のウレタンの膜に穴が開いて空気が漏れ出ているのだろう。買い換えるか…。
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テントからの眺め。青空が見えると嬉しいね。
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朝飯は昨夜茹でてたソーセージのあまりとナンにトマトソース付けて。このナンもやっと食い切れそうだ。

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街を出る時の景色。巨大な壁が迫り来るような大迫力の景色だった。


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ランコと聞いて思わずUターンして撮影。ラグ・ランコ…ラブライブみたいだな。
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非常に凝った看板。旅の気分を上げてくれる。

 

 

Twitterでは朝から飯テロの話題で盛り上がった。

タイムラインにはいつも飯テロリストだらけだからな。人類が如何に食事に重きを置いているかということだ。俺も出発前に食った料理の数々を自ら投稿してみたが、これは自爆テロだろうか。一番恋しいのはなんだろう。ここは王道で母ちゃんの飯と言っとくか。実際美味いからな、西村家の母親が作る飯は。

今はLago Lancoのレストランで一息ついている。サーモン食うなら自分に所縁のある湖の街で食うのが面白いなと思って、急遽贅沢することにした。流石に魚缶と違って、身もフワッフワで肉厚だ。まさしくサーモンピンクの身の色も美しい。今度は刺身で食いたいな…。

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正直食い方が合っていた自信がないが…。久々野菜も食えて満足。腹減ってきた。

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得意の隠し撮り。

 

25:01 Lago Lanco Camping El Mirador

まずい夜更かししすぎだ。

キャンプ場の入り口の砂利で滑ってバイク倒してエンジン掛からんごとなって焦った。2時間後なんとか掛かった。

コーラとポテチ食いながら水星の魔女みようとしたらまだ配信されてない。ガンダムの配信はなんでこんな遅いんか。

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綺麗に真っ平らに倒れたので積載物を下さないと起こし切れなかった。歩道歩いてた少年が助けに来てくれた。サンキューね。

 

 

ブログ書いてたら近くのサイトの陽気な兄ちゃんに声かけられた。アルゼンチンから家族で来ているらしい。名はFelipe(フェリペ)さん。この名前は南米でメジャーなのかな。俺は縁があるようだ。彼らのキャンプサイトに誘われて晩飯にパスタもビールも頂いて、1時間ほど翻訳アプリも使いながら日本のことなどを話していた。凄い質問責めにあった。広島・長崎原爆についてどう思うかとも聞かれたが、俺が思っているより。いや寧ろ海外の人たちの方が平和に関する話題の一つとしてこのことについて日常から思うことがあるのかもしれない。だって俺たち、例えば飲みの席とかで真剣な話できる雰囲気になっても仲間内でもこんな話殆どしたことがないぞ。

食後には熱い紅茶までいただいた。ありがとうございます。やはり食後の一服は人間の幸福度に大きく関わっているな…。

ちなみにマリファナに誘われて笑った。こっちにきて初めてだな。興味あるし経験してみたいけど、いろんな事情でやめといた。

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右がフェリペさん。左が彼の弟さんで、真ん中が娘さん。
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親父さん。昔は軍人さんだったらしく、写真を見せてくれた。
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お袋さんと。スパゲティめちゃくちゃ美味かったです!ありがとうございました。
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キャンプ場の管理人さんと。若い女性が管理人されてるのは珍しい。

 

 

19時くらいから念願の熱いシャワー。このためにこのキャンプ場に早々にチェックインしたのだ。ついでに服も洗っていたら、排水溝の蓋が詰まってて足元が冠水してきた。KUSOTTTARE。仕方なく掃除してやった。

まともに普通の人間らしく体を洗えたのは、サンティアゴを出て以来だから20日ぶりくらいか。記録更新だな。いやー人間なんとでもなるもんだ。脂ぎった髪と身体が一撃でサラサラになって髭も剃ってスッキリ。サイコーの気分だ。

バッテリー類も久々に全て満タン状態になって、アウストラル街道に向かう準備ができたって感じ。あとは死にかけのエアマットをプエルトモントで新調できれば…。金使うなーほんと。

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当たり前に充電できるチリのキャンプ場はありがたい。日本で電源付きのキャンプサイト借りようとしたら、俺が知ってる限りでは大体3000円〜5000円必要。熱いシャワーも付いて、直火で焚き火調理もできて1100円はとても良心的と言える。
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持ってきて良かったものの一つにパラコードがあげられる。邪魔にならんし、様々な用途に使える。自在結びも何度も練習してて良かった。

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たまにキャンプ場使うと、聞こえてくる人の声で安心する。集落の中に住まわせてもらってるような、そんな安心感。

 

 

走行距離 52km

金 酒400 昼飯2,200 ポテチ200 キャンプ場1,100

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