ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day281 〜282 Prince Jorge〜Lillooet】呪い

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8月31日(木)雨

 


16:19 A &W リルーエット店

昨日は6時起床7時発。

キャッシュクリークからは見慣れた大渓谷が姿を現し、少しばかりのワインディングとアップダウンがここ最近単調だった走りに楽しさを与えてくれた。

この日もよくわからない天気で、パラッと降ったり晴れたり。気温も低いため、ほぼ冬の格好で走り続けた。

 


リルーエットに着いたのは15時。いくつかの野営地を下見するも、結局夜に見付けた工事現場裏の松林に野営した。深い砂にスタックしてしまい、脱出に手間取り無駄に汗をかいた。

バンクーバーの皆さんに会う前にシャワーを浴びないといけないが、この町のキャンプ場がシャワーだけの利用も可能のようで助かった。

もうこんな生活も終わると思うとホッとするが、後でこんな苦労と喜びをどう思い出すのだろうか。

 


夜まではティムホでチンタラ。ティムホも後悔なきよう食っておかねばならない。

 


んで24時半就寝。最近ハマったサマータイムレンダの先の展開が気になりすぎて止められなかった。てか、夜にテントで観るにはフツーに怖かった。怖いてか、気味が悪い。

 

 

 

今朝は7時起床。テントをしつこく叩く雨粒の音で目が覚めた。どうやら長い雨になりそうだったため、昼前までチンタラしたら軽く荷物まとめてカッパ着て町へ出た。テントはそのまま。

ティムホへ行くもドライブスルーのみの営業。どゆこと。

隣のSUBWAYへ行くも店内無音で落ち着かんわWi-Fiクソだわクソ寒いわですぐにA &Wへ移動。

ハンバーガー屋のようで、1500円くらいのセットを頼んだら、悪くない。大きさはフツーだが、間違いなく美味しい。マック行く意味ないなマジで。ルートビアも初めて飲んだが良いかもしれん。

 


んで今まで、日本に帰ってからのこととか、旅の本をどうカタチにするかとか考えて調べたりしていた。

 


住むのは…やはり九州か。福岡かな。最近は田舎の良さも改めて気付きつつある。帰ったら掌返すかもしれんが。

関東も田舎の方なら良いかもしれんが、それでは九州に住むのとあまり変化がない。結局、都心の側でないとやりたい仕事もできそうにない。

しかし街はやはり、田舎もんの俺からしたら汚いモノ、主に人が日常に溢れすぎていて、それを当たり前としていなす自信が今の俺にはやっぱりない。ネットでさえうんざりするんだから…。俺は人が好きで、嫌いなんだろう。

水野家やウェンディんち、アラスカのマイコさんちの暮らしの一端を垣間見れたのは、この問題の解決において良い収穫だったといえる。本当に日常に必要なものが何なのか、わかってきた気がする。

 


旅の本は、時間を掛けて着実に一歩ずつ進むしかない。コミティアに出す以上は多少は絵も描けるようにならないといけない。

甘くない世界だ。この旅と同じく、等価交換が約束されている世界ではない。だからこそ、人生の一部を賭ける価値がある。

絵の練習…まあ好きなもん描いてりゃ上手くなる。小学校でのケイスケとの模写を思い出す。あれは楽しかった。

 


そんな感じで、心はすっかり日本に帰りつつある。

一人でテントに居たら海外に居ることを忘れる。道路を走る車の中の人は日本人ではないかとさえ錯覚する。

今までもそういうことは何度もあったが、最近はより脳みそがバグっている感じだ。

 


救われたからだ。救われたから、気持ち新たに未来を向いて居られる。

 


ではもし、救われていなかったら、呪いが解けぬまま帰国の日を迎えていたら。走りながらふとそんなことを考えていた。

 


終わりとは、救いだ。本当の意味で終わらせるためには救われなければならなかった。

じゃあどうやって終わらせる?旅の定義にはそんなことは書かれていない。間違いないのは、自分で終わらせるしかない。

じゃあ、終わらせることができない、終わらせ方がわからない旅人はどうする?

俺もわからない。たぶん、旅の中でそれを見付けるしかない。

俺は幸運だっただけだ。

もしあの時、あそこで何も感じるものがなかったら。無感情となった自分を知るだけの日々となっていたら。

 


呪いだ。これ以上適切な言葉はない。旅への想いも、ありきたりな夢も全て呪いとなる得る。終わらせなければ死ねないのだ。

俺は幸運だっただけだ。

 


あと数日で、俺は更に普通の、何の肩書きもない男に戻る。

そんな場所から、次に続く同志たちをどんな目で見つめるのだろう。

ただただ自分のことのように嬉しく祝福するのか、実は呪いが解けていなかったと認める日が来るのか。…いや、それだけはないな。

 


もうすぐ旅が終わる。

どんな下らない時間をここで過ごしても、できるだけ最後まで記録して旅を終わらせよう。

 


今日も良い一日だった。

 

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途中の川の町。
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ボイラーらしい。
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水車見たらアラスカのサーモン水車を思い出してヨダレが出るようになった。早くまた行きてえなあ。
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リルーエット。北米で一番可愛い名前の町に決定。
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7/31にバンクーバーに行った際には気にも留めなかったが、なんと面白い町の造りをしているのか。ここまで好奇心をそそられた辺境の町は南米以来だ。北米では忘れかけていた興奮が蘇ってきた。縦写真のが迫力あるな。
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ティムホがないと町ではゆっくりできない体になっている。敬意を込めて適当な写真でもスマホでなくカメラで撮ってみた。
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18時に閉店なので外に移動してチンタラ。大渓谷の町はどこを見ても山々の迫力が凄い。ここもカナディアンロッキーなのかな?
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キャンプ場先の川。しれっと入ってきた。
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焚き火跡。やるなら川原でやれよ。
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謎の空間。キャンプ場の方が手を入れたのだろうか。優しさは伝わってくる。
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野営しようと思ったが、なんか嫌な足跡をたくさん見つけたため撤退。こんな町でもクマは出る。
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初サブウェイ。しょぼッッと思うも割と満足感あった。美味いな。もう行かねーけど。
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初A &W。カナダのお店なのかな。とにかく早くKayaバーガー食いたい気持ちが強まっていく。北米のバーガーは期待していただけに残念だった。

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クソ雨。
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BLEACH展凱旋の報に興奮。今度は誰かと行きたいな。

 

走行距離 520+5km

金 サブウェイ900 A &W1500

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