ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【See you next life】名作『ミッドナイト・ラン』から考える、旅の出会いと別れの美学

 

 

こんばんは、ファササビです。

 

先日、師匠のバイブルという、かのロバート・デ・ニーロ主演の『ミッドナイト・ラン』を観ました。

名作ですね、これは。

 

 

f:id:fasasabi:20210330230541j:image

 

 

 

 

※以下ネタバレ有り

 

 

 

f:id:fasasabi:20210330230550j:image

何かを諦めてアウトローに生きるジャックと、心優しい犯罪者であるデュークの掛け合いが最高の化学反応を起こしていますね。

お互いに影響を与えあって、少しずつ互いの距離感に変化が出て、いざラストに…。

あんなに賑やかだったのに、最後は美しくて切ない。

いやあ本当に良い映画に出会えました。人生の中でもトップレベルの作品です。

 

 

別れの美学

さて本題です。

ラストの名台詞である「See you next life」

これは「来世で会おう」という意味ですよね。

f:id:fasasabi:20210330231542j:image

f:id:fasasabi:20210330231559j:image

最後は和解し、心を許し合った二人ですが、空港でこの言葉を交わしてあっさりと別れる…。

何か思うものがあったのか、その後すぐにジャックが振り返ると、既にそこにはいつもそばにいたデュークはいない…。

 

最高ですね。

仲間に裏切られた過去の経験から独善的となり、デュークに対しても全く心を許す気がなく拒絶さえしていたあのジャックから振り返るというのがね…。そしてあのデュークが振り返ることなくその場を去っているのも、ね…。

連絡先を交換することもできただろうが、それもせずに「来世で会おう」とだけ交わして別れた。それはお互いの立場が余りにも違う物だから、「来世では改めて友人になろう」という意味を込めて言われたのか。そうだとしても、それは二人ともそう思っていたのか?だからこそ、ジャックは振り返ってしまったのか。

でもそこには誰もいない。再びジャックは歩き始め、それぞれの人生がまた始まっていく…。

 

f:id:fasasabi:20210330231127j:image

 

切なくも、美しい。

『ミッドナイト・ラン』をロードムービーの名作たらしめる最高のラストだと思います。

 

私はここに、旅の出会いと別れの美学を強く感じました。

 

 

 

あったかもしれない未来

もしここで二人が連絡先を交換していたら?

そうしたらまた新しいドラマが生まれていたかもしれない。今度は普通の関係で友情を育むこともあったかもしれない。

 

ではそうしなかったこの二人の今後は?

師匠に聞いてみたら、

 

「デュークが立ち寄った喫茶店が偶然にもジャックの喫茶店だったってのも、あるかもしれんね」

f:id:fasasabi:20210330231715j:image

そうなんですよね、これなんですよ。

こんな素敵な奇跡が、起きるかもしれないんですよ。

今作を好きな人なら想像できるでしょ?

たぶん二人は顔を見合わせて、またあんな感じにニヤッと笑ってまた掛け合いを始めるんですよ。

そんなん、最高じゃないですか。

 

 

 

「またどこかで」と言えるのは旅人の権利

私はどちらかと言うと"交換しない派"です。

前述したような、そういう奇跡が人生の内に起きるのかどうかを知りたいのです。何の演出も仕掛けもなく、本当に、ただただ奇跡的な確率での再会を体験してみたいのです。

また、「またどこかで」なんてそんなくっさい台詞、普通に生きてても言えないじゃないですか。旅の中だからこそ、心から言えるじゃないですか。私はそれを言いたいのですよ。

そう言ってもし本当にどこかで再び会えたら、最高じゃないですか。

 

学生最後のロンツーの際、尾道のゲストハウスで出会った、同じく学生だったあの二人とも、日本一周の際北海道猿払のライダーハウスで出会ったバイク乗りの皆さんとも、とても仲良くなったけども連絡先の交換はしませんでした。不思議と、しようとも思いませんでした。

「またどこかで」とだけ告げて、実に気持ちよく別れたのが思い出深いです。

私は今でも、あの人たちとまたどこかで会えるのではないかと信じているんですね。

 

 

連絡先を交換するからこそ生まれるドラマもある

私は決して"交換する派"を否定したい訳ではないんです。

だって、交換して、連絡取ってもっとお互いのこと知って、またどこかで会う約束をして…と続けて行ったら、今度は旅での出会いだけでなくて、日常の中でも何か新しいことが始まるかもしれませんよね。もしかしたらその人は生涯の友となるかもしれないし、結婚したり、家族同士で付き合いが生まれるかもしれない。

私はそれも最高に素敵だと思うのです。だから正直なとこ、連絡先を交換するかすごく葛藤してしまいます。

 

 

連絡先にもよる

昔の旅人なら、住所、電話番号、メールアドレスでしょうか。

スマホが普及してからは、SNS…インスタ、Twitter、Facebookなどなど。

どれも距離感が絶妙に異なるのが面白いですよね。

住所とか、渡す相手を信用していないといけない最強の個人情報だし。

同じSNSでも、Twitterはクソどうでもいいツイートが一方的に流れてくるかもしれないし。

師匠はGmailアドレスを渡すと言っていました。うん、たしかに丁度いい。

SNSなら、写真主体のインスタが無難かも。

私は、返事が帰って来なくとも心からの思いを伝えられる手紙こそ最強だと思っていますが、それには住所が必要…。まあ手紙を贈りたいとまで思える相手なら間違いなくある程度の期間を共に過ごして信頼できるか見極められているかとは思います。

 

 

あなたならどうする?旅人何人かに聞いてみた

リアルの友人知人やTwitterのお友達に聞いてみました。

交換しない人は0人!

皆さん交換するとのこと!

ちくしょう!語れるやつぁ居ねえのか!

SNSのアカウント交換がほとんどで、その中でもTwitterが多かったかな?

ファササビ@世界一周バイク旅準備中 on Twitter: "旅で良い出会いをした時、あなたはその人と連絡先(メアドでもSNSアカウントでも)を交換しますか? 私は…葛藤する!!どっちにもロマンがあるからだ! 意見をください!ブログに記録したい!!"

男性の方で、女性とはしないとか、国によって異なるとか、中々興味深くて面白かったです。

交換しても、その後交流を続けているのはほとんどいないてのにも、現実を感じましたね。実際、そんなもんですもんね。人が一生のうちに付き合いを継続できる人数は限られているからこそ、ここぞという時に連絡先を交換したいものです。

 

 

まとめ:それぞれにロマンがある

f:id:fasasabi:20210330231802j:image

どっちが良い、というのは絶対にないです。

どっちにも素敵なロマン、旅の奥ゆかしさが溢れてると私は思います。

そんなことはあり得ないと分かっていながらも、「またどこかの道で」なんてサラッと臭い台詞吐いて南と北にそれぞれ走り出すのも最高だし、「無事に帰ったら連絡するよ!」なんて言ってにこやかに別れるのも凄く爽やかで素敵だし、その人が一番気持ちいいのが一番!

私は旅で言いますよ。

「See you next life」て必ず!

「お前デ・ニーロかよ!」なんて笑ってサムズアップして別れられたらもう最高ですね!