ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

東峰村つづみの里ポーン太の森キャンプ場キャンツーレポ


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2021年2月6日㈯

 

8時起床。

昨夜、RDR2を遅くまでやってたからだいぶ遅いキャンプの朝になった。

コーヒー飲みのみ、押し入れからドラムバッグとサドルバッグを引きずり出し、ノロノロとパッキングを始める。

テント、マット、シート、イス、テーブル、焚火台、ナイフ、ランタン、コッヘル…。改めて点数が多い。ほんとに20kgいけんのか?

毎日使ってるシュラフも久々スタッフサックに詰め込む。

 


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ボロボロのツーリングマップルと分厚い日記帳、読書用の本も連れて行く。どちらもキャンツー始めたときから外せないアナログ道具。重いけど、仕方ない。

 


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壊れかけの一眼レフ、GoPro、撮影用フィギュアも連れて行く。

フィギュアケースにはiPhoneの箱が役立つことがわかった。

詰め物はダーンタフの靴下。

すまんな、なでしこ。

 

食料貯蔵庫と冷蔵庫から適当に食材を抜いてバッグに詰め込む。M先輩じゃがいもありがとう。

 

でかい荷物を往復して担いで玄関出てセローに積み込む。

サドルバッグをセローにドサッと載せる瞬間が好きだ。西部劇のガンマンになったような気分。

残りの積載も手際よく済ませる。

手間だが、段々と高揚してくるバイク乗りの儀式。

 

灯火類、チェーン、空気圧チェック。

問題なし。

11時半、ようやく出発。

 


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適当に好きな道走りながらのんびり向かう。

途中、国道500号線英彦山道路の余りものグネグネ道に萎える。路面状態がよく、積載物がなければ楽しいばかりだが…。

キャンプ場手前でばあちゃん母ちゃん父ちゃんにビデオ通話。よか孫である。

 

14時、ポーン太の森キャンプ場到着。

予定よりも一時間遅れてしまった。

※写真は昨年夏訪問時のもの

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今回は区画サイト外れの上級者用サイト『縄文エリア』でのキャンプのため、通常利用よりも一時間早い13時からのチェックインが可能である。また、チェックアウトも同様に11時間遅く、11時まで利用できる。

 

先にサイトを案内してもらう。

こんなところにあったのか。

昨年夏に師匠ファミリーと訪れた際は気付かなかった。

耕作放棄地となった段々畑をサイト利用しているらしい。いい利用方法だ。

急斜面に手作り感満載で階段となる丸太が並べられており、昨日の雨で足場も悪いため、ゼェゼェ息を切らしながらスタッフさんに付いていく。

 

受付へ戻り、利用案内と利用料の精算を済ませ、いざキャンプ開始。

 


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オフ車なのでギリギリまでサイトに寄せれたはいいが、これから一人でこの荷物を運び出すのか…。

重そうなコンテナの薪は建築廃材の杉材。

詰め放題で550円。

今回はゆっくりしたいので贅沢した。

 


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自陣までの階段の途中。

まだ半分の位置である…。

 


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最後の荷物。

死ぬ…。

富士山の山小屋バイトの、ブルドーザーが運んでくる荷物の運搬も酸素不足で息切れ切れだったが、あれを思い出した…。

エヴェレストのシェルパはすげえよ。

 


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冬の日は短いので、休む暇なくバーっと設営。

自然の薪も一応拾い周り、とりあえずは準備完了。

 


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しかし、今までにない薪の量だ。

さすがに多すぎか?

まあ、夜も長いし、朝も使うから良しとしよう…。

杉なんてあっという間に灰になるしな。

 


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水を汲んでくるのを忘れていたことに気付く。

俺としたことが。

沢があるため、プラティパス持って手頃な水場を探す。

 


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あった。

ありがたい。

2リットルくらいは汲めたかな?

きれいに見えても、鉱物や動物の排泄物で汚染されている可能性があるため、5分以上沸騰させて体に入れる。



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ナイフの師匠の元で活躍して戻ってきた愛用の焚火台に2年ぶりに火入れ。

メタルマッチと、目の前の石垣から伸びていたススキで着火。

焚付にはそのへんの落葉など。

自然は本当に頼もしい。

 

落ち葉が多く、延焼から最悪山火事に至る危険があるため、焚火周りの落ち葉は足で大体払う。

しかし今思うと、もう少し広範囲に徹底して払っておくべきだった。

何度キャンプを重ねても、学ぶことは多い。

 


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火も安定したため、焚火に当たりながら読みたかった本を静かに読み耽る。

焚火のパチパチという音、紙の本のページが捲られる時の擦れる音、風で落ち葉が動く音、山の中から聞こえる鳥の声。

この時間さえあれば、一生生きていけるのではないかと思う。

 


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沢で冷やしていた安物のワインを確認。

よし、いい感じに冷えている。

いやあ山は何でも与えてくれるな。

 


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明るい内に飲み始める。

何やかんやテーブルに広げる。

テーブルってのは、小さくても大きくてもいいな。

どうせ広ければそんだけ無駄に物置くんやから、なくても変わらんわな。

本番ではいらんやろな。

 


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ナッツをシェラカップで炒る。

正直意味のない行為な気がするが、まあやってる本人が楽しけりゃそれでよろし。

チタンにナッツが擦れるカシャカシャ音が好き。

 


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焚火、本、ワイン、つまみと、ご満悦な30歳の自分を記録に収める。

野営感を増すためにここいっとき髭はわざと放置している。

RDR2の主人公アーサーと、ジョン・ウィックでのキアヌに憧れてるのもある。

 


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あっという間に日が暮れて、気温もガクッと下がり、焚き火のありがたみが身に染みる。

腹が減ったのでとりあえず味噌キュウリを喰う。

酒との相性とかそんな面倒な概念は、私のキャンプには存在しない。

 


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今回は寮の前相方が置いていってくれた片手鍋を気まぐれで持って来たが、めっちゃ便利だなこれ。

じゃが、玉ねぎ、豚肉をブチ込んで、ブイヨンキューブを3個、岩塩をナイフで削って少々、黒胡椒を適当に振って簡易ポトフ。

 


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ああ、うまい、ちゃんとうまい。

ばってんさぶなかけんキューブをもう一個入れたら、辛くなってしまった。

学ばないやつ。

そしてこれ、ルー入れりゃカレーやん。

 


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無限と思われる薪を燃やし続ける。

もはや、「使い切らないといけない」という謎の強迫観念に囚われていた。

地球の限りある酸素も無駄に使われている。

洋画『インターステラー』を観たあとの人間がやる行為ではない。

 


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残しても荷物になるため、ワインを飲みまくる。

このマグカップは断熱構造でもなく、取っ手が外せたりも何も秀でた部分はないが、一生使いたい古株の道具である。

ロマンは時に合理性を凌駕するってな。

 


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昨年、小倉のフードフェスタで買った、高校生が作ったカレーをいただく。

スティックになっとるとは!

これ普通に大量生産してほしいな。

山にも使えるやろ。

 


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焼きおにぎりにカレー載せたが、許せ、ウンコにしか見えん。

ウィンナーとチンゲン菜湯がいて、ドリンクは紅茶。

全部美味かった。

このあと残していた豚肉200gも喰う。

食糧は、喰いすぎるということはない。

 


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23時前。

満足したので寝床へ。

ここに来て何も考えずに設営したことに気付く。

あちこちに木の幹が地面に露出しているのだ。

なんとか隙間を縫うようにしてマットを敷いて就寝。

良い夜であった。

 

 


2月7日㈰

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5時30分起床。

トイレに起きたが、いい時間だったのでそのまま焚火して行動開始。

テントは自分から発せられる水分でインナーに水滴が付いていた。

そんな寒くなかったけどな。

さて、朝の始まりはコーヒーから。

いざミルを開くと、空っぽ。

こんなんじゃ死ぬど、お前。

 


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「そうだ、うんこしよう」

昨夜は食いまくったからな。

前日スタッフさんに紹介されてた野外トイレへ。

 


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自然のボットンである。

きれいなもんよ。

半野糞と言った感じか。

眺めも最高。

久々の野糞なもんで意気揚々とブチ撒けるも、

 

「紙がねえ」

 

本当に死ぬど、お前。

手を伸ばして届くとこに枯れ葉があったので手頃なのを掴んで使わせてもらった。

少々手に付いた気がするのでその辺の土で洗った。

自然ありがてえ。

 


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出して、また食う。

 

マグネシウムで出来たメタルマッチの火花をススキにとばして杉に着火させて、その炎で冷えた身体を温める。

沢の水で食い物を調理して、乾きを癒やす。

生き延びたその身体が排泄するものは、自然に還り、その自然はまた自分を生かす命を生み出す。

キャンプをしていると、自分が動物の一種であり、自然の中で、生命の円環の一つの中で生かされていることを感じる。

そして自分だけの信仰が生まれ、神の存在を感じずにはいられなくなる。

この感覚を確かめたくて、キャンプを繰り返しているところもある。

 


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撤収。

ネタで買ったトイレットペーパーケースだが、こいつはいいな。

汚れたコッヘル拭くのにも、鼻水かむのにも役立ってくれた。

こいつも本番連れてくか。

 


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ペグは忘れ物でも最も多い物の一つ。

私はアホだから必ず本数を数えてる。

しかし見てると、武器になるよなと。

再び鉛筆で数人殺したジョン・ウィックを思い出す。

 


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突然始まるフィギュア撮影会。

腰からナイフ提げた髭面がトリッキーな動きで一眼レフのシャッターを切りまくる。

人目の離れた場所でよかった。

一眼レフ、重いけどやっぱりクソ楽しい。

これもまた、合理性をロマンが上回った瞬間だ。

 


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今回試験運用として、バイクだけでなくキャンプ全体を通しても使ってみたKUSHITANIのバイク用の革グローブ。

焚火の匂いと、いい具合の汚れが染み付いた。

結果としては、大成功だな。

匂いさえ気にならなければオールマイティーに活躍してくれる。

化繊グローブではできないことだ。

 


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テントを撤収したら、鹿の糞が。

そうそう、夜中飲んでるときも何度も10mくらいのとこまで現れた。

そして鹿の鳴き声も初めて聞いたな。

鹿笛はほんとに鹿の声そっくりだよ。

 


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10時30分、撤収完了。

他に数人のキャンパーさんがいたが、結局私が最後。

再びの地獄の運搬後のやつれた顔を収めた。

生きるエネルギーに満ちた瞬間こそ記録の価値がある。

夏に来てたら、大変なことになってたかもな…。

 


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薪はさすがに余ったので、食料等なくなって空いたぶん薪をバッグに詰め込んだ。

薪は貴重である。

もらえるもんはもらっとく。

 

帰り際、スタッフさんとしばしの談笑。

「久々の野糞バリ爽快やったですよー!」て言うたらバリ喜んでくれた。

ここのスタッフさんは楽しそうにしとるけんよかね。

ロッジもあるし、区画サイトも綺麗やし、アウトドアアクティビティも色々充実してるので皆さんにお勧めのキャンプ場です。

近くに直売所もあるから、そこで食材揃えるのも楽しいよ!

 


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さて帰宅。

大分が近いため唐揚げ屋が豊富なのである。

10号線沿いを見繕うも、ない。

ここなんて閉店しとったわ。

せめてその看板下げてくれ。

なんだろう、唐揚げにはいつも泣かされる…。

隣の台湾料理屋に入ったら「すんませんやってないです!」て。

表の営業中の看板はなんやねん…。

コロナ憎しってことにしておく。

 


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結局唐揚げには出会えずに、怒りのすき家キング。

お前だけは俺を裏切らねえ。

今回はかなり余裕だった。

ああ、写真見てたらまた腹減ってきた…。

 

ルミエールで翌週の食糧買って15時帰宅。

朝露で濡れたまま詰め込んだテントベランダに下げて乾かして、泥まみれのブーツと焚き火くせえグローブも洗って乾かして油塗り込んで、コッヘルも洗って。

あー代わりにやってくれる美人メイドロボが欲しい。長生きしよう。

こんなこと言ってたら昨今はぶっ叩かれるな。なは。

 

いーいキャンプでした。

次はどこ行こうかね〜。

 

 

 

まとめ

キャンプデビュー前の友人Sへ。

なごーなったが、おいのキャンプはいつもこがん感じよ。

道具はなんちゃよかけん、とりあえず焚き火囲んで飲もうで。

準備完了の連絡気長に待ってます。