8月5日(土)晴れ 快適
23:46 ホワイトホース野営地
中心街入り口の森の中で野営中。もうすぐ日が変わるが、まだ遠くの空には夕陽の名残が見えた。日没は22:45くらいだったか。話には聞いていたが、ここまで夜が短くなるとは。明朝の日の出は何時だろう。
今日は8:30まで寝てた。見つからんとこやし急ぐ必要もないしで思いっきり寝た。なんか夢ん中で笑っていたが、忘れてしまった。
昨日は釣りでスローペースになったため今日こそはと走り出すも、やはりカナダ、素晴らしい釣り場からは逃れられなかった。
12時ごろであった橋のかかった川で、なんと7匹も釣り上げた。うち1匹は丸々としたニジマスの一種。絶対おるやろってとこをまたデッドスローリトリーブで引いたら一撃で掛かった。手元で掛かったためランディングは10秒も無かったが、物凄い引きだった。実に美味そうではあったが、昨日あれから腹壊したし調理面倒だしそれよりもっと釣りたいしで、他の6匹も全てリリースした。
氷河が溶けたターコイズブルーの水の色から、透明度の高い自然な山水の色に、西北西に走るにつれて変わってきた。水量も豊かで地形も喧嘩に富み、所々倒木がそのまま水中に沈み、魚のマンションになっているようだった。
既に辺境の地であるため、魚も日本の釣り場のようにスレておらず、大体どこで釣っても活性が高く、足元までチェイスしてきて時たまそのまま目の前でルアーを攫って反転する姿を見られるのは、釣り人として最高に贅沢でドキドキする体験だ。
水面に落ちた羽虫をバシャっと水音を立てて食らいつく様子も見られた。
納竿後も体を洗わせてもらって、早速ユーコンの恵みを全身で受けた日となった。
美しい魚体である。
ニジマスではないんだよな。ブラウン?
いざ見たら30cmちょいくらいか…。デカく見えたんだよなぁ。
フッキングも完璧。既にフックの返しはレザーマンのプライヤーで潰してバーブレス化済み。
投げずにいられるかって釣り場が当たり前にある。
橋の上から覗いたら流れに逆らって魚達が同じ場所に居着いているのが確認できる。人影が近づくとサッと逃げるのもさすが。
別の釣り場ではスプーンを拾った。買ったら800円くらいのやつ。
それからは給油以外走り続け、18時半、ここWhite horseに到着した。
やっと着いた。
何となく今まで目指していた町の中でも特に遠く感じた。釣りと、変わり映えしないアラスカハイウェイの風景のためか?つってもバンクーバー出てからまだ6日目だが。
先にこの野営地を確保し、町を少し探索した。思ったよりも静かな町のようだ。もっと観光地化されていると思っていたが、このくらいの雰囲気は俺は大好きだ。
Walmartで米2kgとコーラポテチ、肉が全然置いてなかったためボンレスハムの塊を調達。近くの河川公園のベンチで調理して晩飯とした。一応目の前の川で投げてみたが、さっぱり。まあいい、明日ゆっくり釣りや散歩を楽しもう。
さて、やっとカナダでも辺境の地、アラスカの玄関とも言えるホワイトホースに辿り着いたのだが、ここに来る50km手前で「Fairbanks 1010km」と書かれた標識を見つけた。
Uターンして写真を撮った。一気に興奮した。遂に、遂にか、と。
1010km。3日もチンタラ走りゃ着く距離だ。言うならば、石投げりゃ届く距離。
そしてフェアバンクスからデッドホースまでは約700km。つまりもうゴールまで2000kmを切っている。
俺は、ゴールすることが少し怖くもあった。ちゃんと感動できるのか。俺にかつての情熱はまだ残っているのか。今日もそう思うながら走っていた。
だが、大丈夫なようだ。標識見てこの反応だ。きっと現地に足を踏み入れば、気を失うくらい全ての刺激を受容できるだろう。
ゴールまで、気を抜かずに。
今日は素晴らしい一日だった。
1010km。きっと、多くの旅人が俺と同じようにここで胸を高鳴らせたのだろう。
ホワイトホースも昔から夢見続けた町の一つ。普段あんまり町のウェルカム看板の前では撮らない俺でも、ここは撮った。
豊かに流るるユーコン川に寄り添うように町はある。
愛しのWalmartにて。ティムホートンズの商品が並んでるのがカナダらしい。
Googleからのお知らせ。なんと落ち着きのない旅人か。
流石に食い過ぎたと食後は思うが、写真を見るとまた食いたくなる。醤油ワサビで味変した。
魚捌いたりと当初よりハードな使い方してるため、川でバシャバシャやって全力乾燥。タイトルは「多感な時期のレザーマンWAVE+」
22時45分頃にやっと日没。子供達もこの時間まで公園で遊んでいた。俺自身もまさかこんな時間とは時計見るまで気付かなかった。
走行距離 475km
金 Walmart2000 ガソリン1500