ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day246 Ice Field Parkway〜Jasper】カリブー

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7/25(火)晴れ時々雨

 

20:36 Jasperスーパーマーケット外テーブル
7時起床。

昨夜は雷雨に怯えながら早く朝来てくれとシュラフの中で震えた夜だった。木の側で設営していたから、テラフォーマーズで習った側撃雷の危険があった。もしくは雷で山火事が起き、気付いたら周りが火の海に。いや、実際カナダでは十分にある得るだろう。
しかし気をつけようが無いのも事実。結局最後は、「明日も生きて朝を迎えられますように」と祈って瞼を閉じるしかない。

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お前はやっぱり森が似合うなぁ。マックスフリッツのこのジャケットも同じく。
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物凄く近くから何かの鳴き声が聞こえてくるためテントの前室を開けて見たら、目の前でコイツが鳴いていた。コイツはいろんなポーズを取ってくれるプロのグラビアアイドルみたいな奴だった。森の中で、テントの前室から息を殺してカメラを構えて撮影するって、何だか動物写真家みたいで楽しかった。星野さんもこうやっていたのだろうか。

 

 

 

走り始めるも高い山に囲まれた土地だから日が射さず、クソ寒い。たぶんアラスカはもっと寒いのだろうが、ほぼ降る防寒で走らされた。本当に夏かよ。

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昨夜の大雨もすっかり姿を消し、この日は朝から楽しくなりそうな空を見せてくれた。バイク乗りってのは天気に気分まで支配された生き物なのだと、今回の長旅でもつくづく思い知らされる。
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これも様になるカナダらしい一枚。
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針葉樹の森の隙間にこのような小川か渓流があちこちに通っている。

 

 

 

30kmほど走った先に美しい川が広がり、そこは開けて日も射していたためテント乾燥ついでに朝飯にカレーとワカメスープ、食後にお茶と茶菓子をいただいた。
今日の米は特に上手に炊けた。テフロン加工が半分死んだ鍋だが、それが良い具合にお焦げをつくってくれてるのかも。
食糧も改めて確認したら、カレーの在庫が俺の把握していたのの2倍くらいあって笑った。こりゃアラスカでもカレー食えるかもな。クソ寒い中飲む生姜湯も楽しみだ。

安全なキャンプ場でキャンプらしいキャンプはできずとも、バイクなら場所を選ばず気に入った場所でこうして飯も食える。それだけで十分幸せだ。
カナダらしい景色の中、朝日を浴びて身体が暖まっていくのを感じながら食う飯は最高の時間だった。

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極楽だ、この時間は。
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コロンビア大氷原にて。あとで母ちゃんに写真を送ったが、20年前行った時より明らかに氷河が小さくなっているらしい。冒険家角幡唯介さんの旅でも、海が結氷しなくて旅に出られないなど何度も見てきたが、やはり温暖化というのは目に見えて現実に起こっているということだろうか。
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氷河上に小さな人工物が見えたが、どうやら何かの作業車のようだ。
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たぶん大丈夫だろってことで水を汲む。

 

 

 

それからはコロンビア大氷原で水を汲んで写真を撮ってあっという間にアイスフィールドパークウェイを走り抜けジャスパーへ。
ガソリンもバンフから無給油320km、セローでもギリギリ足りた。ここもバンフのように観光地ではあるが、不思議と静かで落ち着ける町のようだ。Free Parkingがないのはクソだが。

 

 

目論見通り、良い感じに外にテーブルとイスがあって、Wi-Fiも届くスーパーマーケットを見付けたため、今の今まで昼からずっとブログを更新していた。やっぱ日本帰国までにちゃんとリアタイで書きたくてさ。

 

時間もあったため色んな人に連絡した。
ミゲルには「エンパナダスが恋しいだろ?」と言われて図星で笑った。
額賀さんとは恐竜博物館の話で盛り上がった。男のロマンよなって。
お母には生存報告と、バンフ付近に昔カナダ旅行の際に泊まったと聞いた。
けいくんには初盆で参ってくれたことに感謝を伝えた。てか、けいくんが家に行ってくれた時に、お母が心配した様子を彼に見せたから「たまにはお母さんに連絡しなさいよ」とけいくんからLINEが入っててお母に連絡した次第だ。良い友達を持った、改めて。

 

 

さて、明日はもう一日ジャスパーでブログ作業。とりあえず今日まで追いつきたい。野営もバレなけりゃいいが。

あ、先に偵察に行った野営地では鹿と会った。いつも通り数秒見つめ合った。町から1kmも離れてない道路ばたなのに。凄いや。

 

 

そして今日、アイスフィールドパークウェイではカリブーに出会った。
道端に車を停めて、同じ方向にスマホをかざしている人たちを見かけたため俺も見に行ってみると、2頭のカリブーが崖下に広がる草原でのんびり寛ぎ、草を食んでいた。

 

感動した。正に星野さんの本で想像した彼らだ。大きな枝分かれした角は身体と同じく茶色の薄い体毛で覆われ、お尻の部分だけ少し白くなっていた。
大きな体躯をゆっくりと動かし、風でたなびく青々とした草原を抜けて針葉樹の森の中にフッと姿を消した。
一体何枚撮っただろう。

確実に俺は、もう一つの時間の中にいる。良い出会いだった。

 

 

今日は特別素晴らしい一日だった。一生忘れない風景に出会えたな。

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2頭居たが、仲間だろうか。
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起き上がる様子。これは猫みたいに体を伸ばしている?
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草を食んでいる様子。
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茂みの中に静かに消えていった。美しい姿だった。

 

 

 

走行距離 TRIP158km ODO22698km
金 コーラとポテチ800 ガソリン1400

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