ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day133 Humahuaca〜Villazon】また会おうぜミゲル

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4月2日(日)晴れのち曇り 寒い 息苦しい

 

 

21:57 Hostel Santusa

7時起床。

ソッコー片してワンコロ達にお別れ言ってラ・キアカまでぶっ飛ばして11時半着。

アルゼンチン最後の飯と決めて入ったホステルのレストランのミラネーサとエンパナダスは、最後にしちゃあ何とも味気ないものだった。

日曜でバイク屋が閉まっていることも忘れててオイル交換もできんしで、んなら予定変更さっさと国境越えてボリビアへ。

しかし書類不備か知らんが、わからん言うとるんにスペイン語でガミガミ言ってきやがって、結局2時間くらい掛かってやっとボリビア入国。

予め調べておいた安宿に行くと、バイクと人間合わせて950円(50ボリビアーノ)でお世話になり、シャワーも浴びてWi-Fiズブズブ、夜の市場も軽く見学して写真撮って今日は終わった。

 

 

 

ブエノスを去って、11日が経った。

ミゲルとは国境まで大体14日間くらい掛かるだろうと話していたが、まあ予想通りだ。

アルゼンチンペソもちょっと余るくらいで、昼間にドルと一緒にボリビアーノへ両替した。

 


ブエノスを出たのは3月22日。

最後にと、朝からミゲルおすすめのアルファホルを買いに街に歩いて出かけ、家でコーヒーと一緒に食った。

確かにありゃあ高いだけはあったな。ぎっしり詰まって重く、今までで食ったアルファホルの中でも一番甘く食いごたえもあった。

 


Googleマップを見ながらどこから街を出ようかと確認していたが、結局街の出口まで送ってもらうことになった。

 


アパートの前にバイクを停め、パッキングした装備をエレベーターで下ろして久々にバイクに積んだ。

 


長い間お世話になったベッドも軽く綺麗にして、朝から書いた手紙をそっと枕元に置いてミゲルの家を出た。

 


毎日顔を合わせていたお隣のお店の面々にも挨拶した。

 


好きだったこの通りのカオスを最後に写真に収め、14時ごろミゲルと慣れ親しんだ住処を出発した。

 


あっと言うまに郊外に出た。

その景色は3月4日、初めてこの街に来た日のことを思い出させた。

まさかこんなに長く居るなんて。

北へ向かうためのR9への入り口手前の公園でバイクを停めて、本当のお別れをした。

 


俺は「See you in the next life」と言った。

この言葉への憧れもあった。

だが、偽りない本心からの言葉だった。

どんなに国と国とを簡単に行き来できるようになったとしても、どんなにいつでもやり取りができるようになったとしても、俺たちの間に存在する物理的距離、数字では測れない精神的距離は余りにも大きい。この時代に於いても、だ。

同じ国、いや同じ県内町内の人間とも会おう会おうと言いながら再会せぬまま人生を終えることが殆どだ。人はそういう生き物だ。

だからそれを紛らわすかのように、俺たちは電子のメッセージでいつでもやり取りして、いかにも近くにいて変わらず交流を続けているかのように自身を錯覚させて、安心を得る。

 

 

 

それじゃ駄目なんだ。

少なくとも、俺たちの別れはそんなんであってはならない。

だから言った。もう二度と握手することすら叶わない覚悟で言った。

 


俺は楽しかった。

まさか海外で友人ができて、その友人の生まれ育った街で多くの時間を共に過ごし、大切な人も友人も家族も紹介してもらって、何でもないが彼にとって大切な場所まで連れて行ってもらって、色んなアルゼンチンの料理や文化を教えてもらって、男二人でいつものバーでビール片手に何でも無いこと話して笑って。

 


俺は楽しかった。最高の時間だった。

だから、これからもスマホで連絡取れるから、なんて曖昧な別れにはしたくなかった。

そんな安っぽい別れは許せなかった。

 


それでも俺は言葉足らずだった。

ブエノスを離れれば離れるほど、もっと、少なくとも英語が話せたら伝えたいことがあったのにと悔しさは増し、その不甲斐なさに悔し泣きした。

来世で会おうってのが、俺にできる俺なりの感謝と彼の優しさへの答えだった。

 


ありがとうミゲル。

俺は今日アルゼンチンを離れて、これからボリビアとペルーを旅し、あと2ヶ月もしないでもう北米だ。また環境が変わって、目まぐるしく日々を過ごしていくのだと思う。

でも、これからの俺は、朝晩にはお気に入りのカップでマテ茶を嗜み、小腹が空けばエンパナダスの看板を道中に探して、ビールを飲めばいつも夜行っていた行きつけのバーを思い出すのだと思う。

俺にとってブエノスでの18日間は、そこまでのものとなった。

日記にさえ書ききれないほどの思い出だらけだ。

 

 

 

ありがとうミゲル。

俺はこう言う奴だから、「また来世で」なんて言ったし、実際君が日本にいつか遊びに来るとは言え、また俺たちが会えるかは誰にもわからない。

 

でも大丈夫だ。

そんな仕方のない人生の無情さなど吹き飛ばせる力を俺達は持っている。

だから俺たちはサンティアゴで出会い、今こうして生きているんだ。

 


また会おうぜミゲル。

今度は君の友人としてもっと相応しい男になってるからさ。

 

 

 

2023.4.2 22:47 西村雄志郎 Nishimura Yushiro

 

 

 

走行距離 120km

金 昼飯1200 ガソリン500 宿950

 

 

 

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また泊まりに来てたミゲルのお母さんがまたまた朝食出してくれた。「Gracious por comida …」と朝食史上最大の感謝を込めて頂いた。息子さんには本当にお世話になりました。ありがとうございました🙏
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美味かったなぁ。携行食にとか言い訳して何個も買ってりゃよかった。
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来た時と違って帰りはエレベーター運搬。
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「手紙見つけたけど、読めねーよ!笑」と後でメッセージ来たから「フロウルと解読するのが宿題よ」と言っておいた。
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俺にとって特別なこの景色を、俺は一生忘れない。
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ブエノスにすげー友人が居るんだぜって、俺はこれから自慢できるよ。

 

 

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チャリ旅の家族。ここまで機能的に手が加えられた車は初めて見た。
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家畜のリャマ達。小さい頃からフワフワのモコモコなんだな…。
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見上げた横の構図、結構好き。
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ラ・キアカのガソスタにて。広かったな、アルゼンチン。
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学生達が何やらパレードしてた。奥の馬の女性が既にすげーな。
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向こうはボリビア?明らかに街の作りが違う。
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フェンス穴開けて移動してた。どうなってんの。
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WhatsAppでアレックス達に送りつけた写真。もっと良いレストランでも行きゃ良かった…。
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ここではライダーをたくさん見た。
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やっと入国。
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人だかりのあった両替所でボリビアーノGET。
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宿のガレージ。しばらく使わないだろうテントをしっかり乾かす。
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夜の市場散策は初めて。
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リャマの子供のミイラ?

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漢方的なお店なんかな。
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またサッカーやってら。
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卵屋さん?
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怪しく光る台湾飯屋。
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プロレス専門店みたい。
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バイク屋も意外と充実してそうだ。
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謎のスイーツ的なの。
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色んな大きさの鍋が並ぶ。
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俺の相棒の完成系みたいなカスタムが施されていた。
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筋トレ器具屋。
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どんな格好やねん。
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写真撮っとらんで食って行かんかい!みたいに言われたが、すまねえ腹一杯で…。
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みんな寄り添って路上で食う飯も美味そうだった。
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スパイダーマン。店内からめっちゃ視線を感じる。
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走り始めて初のホステル。いや、お前はよう雨の日も風の日も野営頑張って来たと思うよ…。
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晩飯はバラ売りポテチとコキータ。このポテチが自家製なのか、分厚く良い具合に脂ギッシュで中々癖になる美味さだった。