2月9日(木)晴れ
25:30 アンナの家寝室
寝たい…。しかし記録すべきだ。こんな面白い日々を送っているんだから。
まずは昨夜のアサードだ。アンナの息子さんの嫁さん、つまり義理の娘さんちにあるパリージャというものを使って、ラム肉をデカい体ごと焼いてくれた。もう頭以外羊のまんまじゃないかってやつを。
さすが皆さん炭の扱いにも慣れていて、骨から肉を毟り取るのも器用にされていた。東洋人の俺はそれを見様見真似でたどたどしく食らうのであった。
しかし意外と素手で食べるもんなのね。スプーンとフォークで気合いで食うものと思ってた。
そして皆んなそれぞれのタイミングで食い始めることにも驚いた。日本では大体「いただきます」とみんな揃って食い始めるものだが、アルゼンチンはそうでもないのか。
人生初のアルゼンチン家庭でのアサードだが、ラム肉の美味いのなんの…。ソースとかも一切いらん。彼女の味付けが完璧なのだ。何回ムイビエンと言ったことか…。パンもワインも最高だった。
ここには犬3匹にダックの雛が2羽。外にはチキンの子供達もたくさんいてまたもや動物に塗れた。帰りには子猫もモフれた…。
皆んなの写真も撮りまくった。俺にはこれくらいしかできん…。
そしてアンナがお父のことを皆んなに話して、その死を全員で悼んでくれた。良かったなお父。会ったこともない海の向こうのアルゼンチンの人達が、お父のことを想ってくれたぞ。
んで帰宅は24時。また気絶するように寝た。
こんなん知ったら日本のBBQに革命起こしてしまう。
ラム肉食いながらぴよぴよ聞こえてきて妙な感じだった。
お犬様。まだ8ヶ月で動きがキッズそのもの。
手乗りサイズのチキンの子供。ふわふわ。
そして今日。
10時まで寝て、アンナはお出掛けしていたので一人優雅に朝食を取って、またブログ作業など。
13時から街に出て散髪へ。テキトーに走ってたらどっかあるやろと思って来たが、ないもんやな。やっと見つけた一軒目は挨拶シカトこきやがったけん黙って出て行った。2軒目は店頭にバイクが並んでいたから覗いてみたら、わざわざ外に出てきてニコッと挨拶してくれたからここに決めた。
若い兄ちゃん二人がやってるお店のようだが、とても親切に案内してくれてカット中もお互い翻訳しながら「アルゼンチンは食事も美味しく人も良くて最高よ」とか「日本は行ったことないが好きだ」とかリスペクトし合っていた。『朱』と漢字一文字の指輪をつけているのを見せてくれたが、どこで買ったんやろ。
髪型も短くしてって以外あなたに任せると伝えただけだが、フツーにいい感じになったんじゃない?写真撮ってお別れした。1,400ペソだから1,000円くらい。
初めての海外での散髪、大成功だぜ!!
朝食が充実してるってのは幸せだ。
良い仕事をありがとうだぜアミーゴ。
んで夜は俺の送別会を昨日のメンツが集まって地元の人気のアルゼンチン料理のレストランでしてくれた。
ミラミサ・コンプレタだっけか。牛肉にパン粉塗して焼いたもの。フライドポテトと目玉焼きも載ったやつ。アルゼンチンの伝統料理らしいが、とても美味かった。なんだろ、カツレツみたいな感じ。
食後はデザートにティラミスまで頂いて、これまた初めて食べるティラミスでめちゃくちゃ美味かった…。コストコのティラミスしか知らなかったからな…。レストラン自家製らしい。
食事しながら日本語スペイン語教え合ったり、ロベルトと坪井さんが出会った時の話などをした。野営時の自炊や、日本の料理についても。うどんの出汁について説明するのは難しかったな…。
ウェイターさんもとってもかっこいいお店。
有名なワインらしい。美味かった。
細いパンとかつまみながらメインディッシュを待つ。
こんな感じ。味付けはどんなしてんだろ。聞けば良かった。
ふわっふわティラミス。こんなのは今まで食ったことない…。
帰る前にアンナの昔の家に寄った。なんと、三重県さんのアオサスープの素をいただいた!!ここアルゼンチンだぞ!?マジかよ。てかこれを選ぶアンナのセンスがすごい。これで野営飯が華やか(?)になる…!!Graciousアンナ。伝統の手作りお菓子までいただいた。Alfajorてやつ。
家にあったアルバムを見せてもらったが、みなさん美男美女でおったまげた。25年前の結婚式の写真らしいが、アンナも若く娘さん達もまだ幼く、ロベルトの娘さんのカネラさんもまだ子供だった。
また、カメラマンの腕が良いんだよ。というか、日本の写真家とはまた見ているものが違うのかな?写真はやっぱ印刷してなんぼやなと思わされた。手元にあるってのは良いもんだ。
12年前のクルーズ写真もすごかった。カネラさん本当に美人でビビる。俺今まで生きてきてこんな美人見たの初めてかも。ビデオ通話などで直接やり取りして為人を知っているからだろうか。
まさかの支給品。お母からの仕送りみたいやな。
ガラス一枚隔てた先で俺たちを誘惑するニャンコロ。こっちが届かないと知って…。
素敵な写真たち。俺も帰ったら印刷するよ。
それから帰ってきて今に至る。
もう26時だよ…。一日の日記で2日分の晩飯について語るとは。
いやしかし、食文化ほどわかりやすく興味深く、お互いを知れるものもない。全世界がお互いの食文化を尊重し合えれば争いなんてなくなるんじゃないか?それほどに色というのは俺たちの大部分を占めるものであり、その喜びは言語の壁だって易々と乗り越える力がある。
さて、明日はまた走り出す。
お父の通夜は昨夜済み、葬式は今日の12時からだった。
ケイスケに俺から直接話すのが遅くなってすまんかったと伝えたら、少しの励ましの言葉と「帰ってきたら一番に会いに行けよ」と言ってくれた。色々考えることもあるだろうから、今は旅のペースを落として安全に、とも。
かつひろは何も言わずとも斎場に顔を出してくれ、よしきとけいくんにまで伝えてくれていた。うちのお母達への言葉も添えて連絡をくれた。
ほんと、大した友達を持ったもんだよな。
そうだな、安全運転でまた走り出そう。
また落ち着いたら俺から連絡するよ。
今日も良い一日だった。本当に俺は幸せもんだ。
走行距離 15km
金 散髪1,000円