2月5日(日)晴れ
22:40 キャンプ場
前半は本当に最悪だった。7時に起きるも強風と雨がテントをひたすら叩き続け外に出られず。一瞬病んだ隙にパイネ行きの装備を積載して9時出発。
R9を北上する少し手前で左折し、反時計回りに走ることにした。
晴れていたのも束の間、すぐに空一面雨雲に覆われ強風と雨の中カメラを構えることもままならないまま走り続けた。
手は悴んで動かんし、ブーツカバーはサイドスタンドに引っ掛かって穴開くし散々だった。舗装路が多かったのが救いか。
そんななかたどり着いた関所。ペリート・モレノと同じくここで入場料を払って国立公園内に入るわけだが、35US $。約5,000円。面食らった。よりによってUS $て…。走りたいだけなのに5,000円…。数日掛けてのトレッキングならまだしも…。
30分はベンチで神妙な面持ちで長考しただろうか。受付の姉ちゃんが心配して声を掛けてきたほどだ。金が無いなんて言わせんでくれ…。
結局、答えは出ぬまま勢いで購入。
しかし正しい選択だったのかもしれない。
それからはパイネに近づくにつれて嘘みたいに晴れ間が広がっていき、値段に見合ったものかはわからないが初めてみる絶景の中バイクを駆り、良い写真も撮ることができた。
オンロードとオフロードの比率は7:3てとこか。オフもかなり走りやすいタイプのものであるため、無駄に時間を食うこともなく予定通り丁度一日使う感じで17時半ごろにはキャンプ場に帰ることができた。
ただ、ほんとだったら途中のキャンプ場で一泊でもしてパイネを眺めながらゆっくりするのが良いのかもしれない。後から知ったが、キャンプ場は要予約だし高いとかでめんどくさそうだが。
虹を追いかけ続ける。
段々と化け物みたいな山が近付いてくる。
クソ雨。レンズも濡れてまともに撮れない。
関所にて。ネット上での購入手続きだった。わからなくても受付の皆さんが教えてくれる。
とにかく金払った以上カッコつけて、時にはふざけて撮りまくる。そんな努力の裏の一枚。
超巨大古龍の背中か、クシャルダオラの棲まう黒く凍てついた山。モンハンの世界だ。
参考画像。俺のモンハンデビューはPS2のモンスターハンター2。こいつの一式装備を揃えて満足してやめた思い出。確かリアレイア素材の毒属性の太刀で、頭をちまちま切り払いで虐めていた記憶…。モンハンワールドでは中々のクソモンスター化を果たしていたようだが…。今では沢山いる古龍の中でも思い入れの強く、見た目も設定も好きな古龍の一つ。
キャンプ場に帰って飯の支度をしていたら例のもう一人の日本人にやっと会えた。
彼の名はまんさくさん。沖縄でカヤック屋をされている生粋の海の男だ。この街からカヤックを出してパイネまで漕いで氷河を見に行くつもりが、現地の海上警察に止められて計画が台無しになってしまったらしい。聞くと、この辺は国立公園てのもあって船を出すのも禁止されているとか。
しかしどうしようもないため気持ちを切り替えて、街歩きやトレッキングをしてみたらめちゃくちゃ楽しくてコレはコレで良いと。
わかりますよ、その気持ち。
まんさくさんはこの街に来て1ヶ月とか。
ずっとこのキャンプ場を拠点に、この街の楽しみを毎日見つけているんだって。甘いものが好きだから、アイス屋やお気に入りのカフェを見つけて楽しんでいるようだ。二人で共感しあったけど、そういうのって最高に貴重な経験だよな。
普通の旅行だと同じ街に1ヶ月滞在するなんてまずないからな。同じ意味で、俺もサンティアゴでの1ヶ月は本当に充実したものだったと、振り返るたびに思う。
まんさくさんは奥さんと息子さんに御免なさいして今回の旅を実行に移したらしい。
俺もまたそんな感じでいつか海外を走る日が来たりしてな。そんな生き方もあるだろうさ。
晩飯は昨夜の残りのチョリソーとパン、そしてワインで済ませた。チリでステーキを買うと2,000円コースになるため、代わりにチョリソーを買うとコストも半額に抑えられ、ステーキに負けないくらい美味い。めちゃくちゃ美味い。日本でも食い続けたい一品だが、コストコとかで売ってたりするのかな。こいつにはビールもワインも合う。
さて、明日は朝から街を歩いて回ろう。せっかく国境越えてまで来たし、やっぱ街も見ないとな。
それにここのキャンプ場も気に入ってしまった。バイク乗りがいないのはちょっと寂しいが。
今日走っていて思ったのだが、最近の俺はキャンプ場を楽しみにして走っている気がする。なんだろうな、キャンプ場での時間そのものが、全てひっくるめて一つの大きなイベントになっている気がする。いかに快適に過ごすか考えて、近くのスーパーマーケットや商店にも通いつけて…動物もいたら最高!!そして一日の疲れを感じながら安心して眠りにつく…。
やはりキャンプしなきゃ俺はダメだな。旅でのキャンプは最高だ。
今日も良い一日だった。
カヤックで焼けた肌とグラサン焼けが男らしいまんさくさん。めちゃくちゃ気さくな良い男。吉原さんに乗せてもらったカヤック死ぬほど怖くて楽しかったと話したらめちゃ笑ってくれた。いや実際命懸けだったからな普通に。帰ったらやりたいことの一つ。
彼のエアマットだが、テントから出した瞬間風に煽られて柵の角で切って穴が空いてしまった。こんなミスも起こりうるのがパタゴニア。エアマットの話してたらこんな新素材があることを教えてもらった。インナーダウンとして使うものらしい。
晩飯。日本では2日米食わなかったら発狂していたのに、ここ最近はパンが美味くてたまらない。タカノリ先輩も言っていたが、食事でのパンってもっと広まっていいよな。ほんと美味いもん。
走行距離 315km
金 パイネ入場料5,000円 キャンプ場1,410円