ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day74 El Calafate】旅人べしゃり暮らし

2月2日(木)晴れ 13℃〜25℃

 


10:07 CAMPING NIRIGUAO

6時起床。支度して紅茶飲んでLIVE配信待機。しかしキャンプ場のWi-Fiではログインすらできず。急いでカフェに移動するもだめ。ソッコーでコーヒーセット平らげてガソスタ行ってサブのiPhone7で接続。繋がった!!

アマミンさんはるかさん高橋さんなどの顔ぶれから質問をいただき、額賀さんと二人でそれらに答えていく。LIVE配信ってこんなもんなのかな?見たことないからわからん。あ、ジャルジャルのコントのLIVE配信ならいつも見てたか。


額賀さんの画面でイラクの片田舎の様子をチラッと見たが、やはり映像の持つリアリティは写真とは一線を画すものがあった。ここを旅しているんだなというのが、観客である俺たちにビシビシ伝わってきた。


そして高橋さんめっちゃ暴れててワロタ。『母をたずねて三千里』、帰国したら観ますよ。その方が、「あ!この街知ってる!!」てなって面白いしね。


海外バイク旅の楽しみは何ですかという質問には二人とも黙ってしまった。額賀さんも言っていた通り、これは旅の本質を問うものであるため、サクッと答えるには少なくとも俺には圧倒的に経験が足りない。なんだろうな…。初めてツーリングをしたあの日の延長線上でしかないんじゃないか?俺はスティードで島原半島に走りに行って、それがとても面白かったから更なる未知を求めて県外、日本一周、そして海外と順を踏んでいるだけでもあるし…。山や釣りだってそうだ。最初の楽しさを超える何かを求めているだけかもしれない。だから海外バイク旅で感じる楽しみは、初めて日本を走った時の楽しみと同じものなんじゃないかな。


さて、結局この街にはさらにもう一泊することにした。今から撤収して出て行っても次の街に着くのは夜だしね。今日こそゆっくりしよう…。

f:id:fasasabi:20230206225806j:image

人を待たせてるのに自撮りするヤツ。
f:id:fasasabi:20230206232546j:image

やっとみんなの顔が見れた。いやほんと、旅の先輩方がこんなんやってると聞いたらどう思うんだろ。時代は変わったな…。

 

 

19:25 キャンプ場

熱々の紅茶とバナナチップスをつまみながら書く。今日はゆっくりできたな〜。

LIVE配信の後は久々に額賀さんはるかさんと3人で2時間もビデオ通話していた。メタボンさんは電車移動中と言っていたが、何処かに飲み直しにでも行ったのかな?


配信では通信が不安定すぎて全然話せなかったため、その分沢山話を聞いてもらえた。お二人の話を本人の声で直接聞くのも久々だった。


例の風景写真を意識して撮るようになったって話だが、額賀さんはパソコンを持っているから、自分の撮った写真をスマホなどよりも遥かに大きいサイズで見られるってわけだ。

だから、撮った時にそこまで手応えを感じなかった写真でも、パソコンで見たら「良い写真撮ってるじゃん!」とニヤッとすることも多いんだと。良いな〜羨ましい。俺も早くデカい画面で見たい。よしき、頼むぞ!!

f:id:fasasabi:20230206230338j:image

俺が額賀さんの写真で一番好きなのはこれだ。風景写真でも何でもないが、もう疲労困憊の肉体と心が伝わってくるのがたまらん。俺はエピソードの見える写真が好きなんだろうな。

 


カメラに関してはOMD-EM5を愛用しているが、額賀さんの愛機も変わらず調子良いようだ。俺がパタゴニアの風を受けて三脚ごと一本背負いしたという話をしたら額賀さんも腰の高さから何度か落としているが今んとこ問題ないとのこと。さすがオリンパスか。伊達にアウトドアを謳っているだけはある。


ヒロさんとの出会いの話をキッカケにして、旅に飽きるということについても語り合った。

額賀さんは、認めた…!!「まあ、飽きてくるよな…」と、ちょっと苦笑いしながら。この男もまた潔いのか。

だが、そもそも俺たちは観光を目的にして走っていないし、この度に何か大きなモノも求めていない。恐らく、鼻っから他の旅行者とは見ているモノが違う。暮らすように旅をしているわけだ。

そんな俺たちがこの旅もとい生活に慣れてしまっているのなら、それはもう暮らすように旅ができていると言っていいんじゃないだろうか。

それに、旅を続けていればやはり予期せぬ何かが嫌でも起こったり、巡り合ったりして、また新たな刺激を受けられるものだ。

少し俺の言葉と考えが入ってしまった気もするが、このように話してくれたと思う。

ともかく、旅に飽きて来たという事実を悲観的に捉えるのではなく、そういうモノなのだと前向きに捉えていた。なるほどなと考えさせられた…。


これと関連して、帰ったらどうするかという話もした。

仕事はともかく、額賀さんは最後に南北アメリカを縦断したらそれを最後の海外旅にしても良いと思っているそうだ。その後は、まだバイクで行っていない九州や四国に走りに行ければ十分と。そのためには、海外バイク旅への思いを成仏させなければならないだろう。俺はどうだ…。


はるかさんは今の会社で夏休み1ヶ月もらって走りに行くにもいいが、やはり一年間程度、長い時間を使って海外を走りたいと。それは積年の夢であり、呪いであると。呪い…。はるかさんの口からは初めて聞く強い言葉だ。いつもニコニコしているはるかさんが、こんな言葉を…。つまり、相当なモノだということだろう。


俺は、仕事は何にせよ、それこそはるかさんのように一ヶ月も休みが貰えたら、同じように一か国ずつレンタルバイクでもいいのでじっくり走ってみたいと思っている。それで十分すぎるほどだ。それに船に狩猟に山にスケッチに、旅以外にもやりたいことが山ほどある。

全員考えていることが違うんだな。


絵の話も面白かったな。

とりあえず、はるかさんは無事に例の合同誌を脱稿されたとのことだ。おめでとうございます。

一度しっかり休んで欲しいな。ラダック本からこれまでTwitterやインスタなどでもどれだけ体を酷使しているか見て来たから、健康面が心配で仕方なかった。

しかし〆切はあるし、創作という素晴らしいことに情熱を注ぐ人に安易に無理するなとも言えないからな…。ともかく完成して良かった!!まあ変わらず海外にいる俺達はその本を読めるのはまだまだ先なわけだが…。

しかし電子版のリリースも頭の中にはあるらしい。それだとすげー嬉しいな。


今回の合同誌とラダック本のタッチが、別人が描いたのではないかと思うほどタッチも雰囲気も違うことについて額賀さんと俺でひたすら感心していたが、通話が終わった後、それははるかさんの別の顔なのではないかと何となく思った。とにかく可愛いことを追求して描いたと言われていたが、そういう内面をえで表現されているのではないか、と。

普段とは180度変わった服装を楽しむような、絵の描けない俺からしたら何となくそんなイメージ。それならわかる。洋服も着れば和服も着るみたいな。俺がそうだし、それは間違いなく自己表現の一つだし。

過去の絵日誌も見せてもらったが、あれを毎日続けられたらどれだけ素晴らしい旅の記録が出来上がることだろうか!!先生が一日二日で止まってしまうなら、そりゃ額賀さんと俺にゃ難しいぜ。

f:id:fasasabi:20230206230802p:image

【P8訂正ペーパーと同時注文してください】初版完売・ワンマン夏休み #ラダックツーリング2022 準備編 - 旅とバイクと日々。haruka180cm - BOOTH

早く読みたい。自分が叶えたいことを叶える力を持っているはるかさんだが、もちろんそれは長い長い試行錯誤と努力の末のものだ。本気で旅する人が描いた旅漫画、贅沢だよなぁ。その技術も羨ましい。

 


額賀さんも全然描けてないらしい。驚くことに、風景画の描き方が全くわからないと言われたいた。え、動物描く方が明らかに難しくないか!?かといって俺も風景画がこなれているわけではないが…。

通話の後で、Puconを去る際に描いたスケッチを見せたら、めちゃくちゃ褒めてもらえた。素人の遊びながら、素直に嬉しいぜ。額賀さんが描くラクダも見たい。インスタの動物画は素晴らしいものだった。

f:id:fasasabi:20230206231935j:image

そう言えば現地の人にも褒めてもらえたのを思い出した。描こう…もっと…。

 


2時間に及ぶお喋りの後、額賀さんがこんな気づきを得て俺たちに話してくれた。

「思ったんだけど、ノートに旅で出会った人に現地の言葉で一言なんか書いてもらうの始めようかな」

Muy bien!!とても良い!!素敵なアイデアだ!!本物の紙に出会った人々の生きた筆跡が、少なくとも自分が生きている間は残り続ける…。脈々と受け継がれ、いつか書いてくださった方々とそのノートを見た人間に繋がりが生まれ、新しい何かが始まるかもしれない。素敵だ…。

旅をしながら思い至ったこの考え。きっと額賀さんの旅の本質に根付いた、限りなく純粋なものなんだろうな。

俺も何か気づきを得られる日が来るのだろうか。なんてな。

f:id:fasasabi:20230206232157j:image

早速書いていただいたが、未だに翻訳していないアホ。しかし、本当にいいなこういうのは…。

 


クソ長くなってしまった!まあしかし、めちゃくちゃ楽しかったからな…。4人集まる日が楽しみでたまらないな。

 

 

それからは明日の出発のために装備の手入れをしたり、最後にと言い訳作って昨日の洒落乙なレストランでアルゼンチンステーキ400gとグラスワイン頼んで腹はち切れそうになってヘベレケにもなって後悔したり、シャワー浴びて洗濯もして、相棒のヴォラーレに日の丸マグネット貼ってジャップ専用機にしたり、こうやってゆっくり日記書いて過ごした。

 

そういや日記帳もあと少しで一冊分終わる。最後の挨拶ツーの出発前くらいからこの日記帳を使い始め、毎日書いているため、3ヶ月ちょい分くらいか。

てことは帰国までに後3冊は増えるってことか。管理に全力を注がないとな。紛失でもしたら精神的ダメージは計り知れないぞ…。

 


まーた長くなった。ともかく明日はまた走り出す。あ、去る前にカフェで朝食取って行きたいな…。まさかこの街にこんなに長居するなんてな。暮らすように旅をするってな。たぶんこういうことだろ!!

今日も良い日だった。

f:id:fasasabi:20230206232339j:image

パンの時点で美味いしデカい。
f:id:fasasabi:20230206232346j:image

シェフが焼くと完璧だなやはり…。だめだ、また食いたくなってくる。
f:id:fasasabi:20230206232343j:image

お札の整理もした。アルゼンチン細かすぎるって…。誰かに聞いたが、インフレしてから生まれた紙幣には政治的都合で人間ではなく動物を使用しているらしい。可愛くていいと思う。

f:id:fasasabi:20230206232714j:image

携帯湯沸かし器は海外キャンプ旅には欠かせない。電源さえあればいつでも暖かいお湯が手に入るのはとても幸せなことだ。飲んで食った後、安い紅茶をがぶ飲みしながらゆっくりするのが幸せな時間を。

 

 


走行距離 3km

金 カフェ700 ガソスタコーヒー200 キャンプ場1000