ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day32 Las Canas〜Pichilemu】エンパナダスの兄妹

12月22日(木)晴れ


12:55 とある湖畔

Pichilemuのビーチまで残り70kmくらい。夕方には着くだろう。

今朝はテント開けて外に出たら目の前に野犬が鎮座しててビビった。賢そうなやつで助かった。南米の人里近くでの野営では野犬への警戒が必要だな。

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南米の野犬には意表を突かれることが多い。自然に溶け込んでいるのだ。

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ブーツの中に生き物が入り込んでないか確認するのも大事な日課。インソール裏に現金隠してたのだが、なんか擦れてきてダメみたい。
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ミゲルおすすめの『IPONE』という日の丸印のもろ日本意識した用品メーカーのチェーンオイルを使ってみたが、なんじゃこの色は。まあ塗ったとこがわかるのはありがたい。
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予備のガソリン用ポリタンクはこんな感じで綺麗にキャリアに収まっている。安心感がダンチ。

 

 

8時半に出て小休憩を挟みつつ快適に進む。ハイウェイではないが、80km制限の道が多く中々に疲れる。大陸の人たちはその必要が無くとも死ぬほど急ぐのが普通なのだろうか。ミゲルやアレックスも嘘みたいに狭い隙間を縫ってすり抜けしてたし、車の人々は明らかに100kmは出てる。日本で同じことをしても到着時刻はリスクを鑑みたら意味のない行為であるが、大陸の人々では事情が変わるのだろう。しかし、野犬の飛び出しも強制減速のための凸凹もあるのによく飛ばせるのものだ。

後ろに着かれた時は上手に譲っているが、クラクションやハザードでお礼されたりもする。世界共通のしきたりなのだろうか。バイク乗りからはサムズアップも受ける。元気が出る。

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チリのバス停。たまに休憩に使わせてもらってる。落書きやアートがあったり、椅子がなかったりとそれぞれ特徴がある。
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柵も何もないとこを普通に歩いていた馬の群れ。近づいても逃げなかった。野生の馬だろうか。昨夜のいななきは彼らのものかも。

 

 

今は湖で休んでいるが、釣り道具が欲しくなる。バイバックになって諦めたからなあ。アウストラル街道は湖だらけだし、どこかで釣りしたいな。

水辺を歩いてたらぬかるみにハマりブーツが泥まみれになった。ジーンズもだいぶ汚れてきた。

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何釣ってんだろ。サビキの仕掛けみたいなので浮き釣りしてたが、棒浮きも円錐浮きもまともに立ってなくて意味不明な光景だった。

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靴は旅の成否を左右する重要な装備。ほんとこの靴には助けられている。

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ビーチに来た。南米も海側は活気に溢れている。
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海外にもこんなんあるんだな。あと10歳若ければ乗っていた。
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古い遊戯台。
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公園のバザール。

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日本の漫画アニメ作品を描きまくってた。版権とかそういうのは置いといて、すげえ。
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街の小さな遊園地。海外の人たちはやたら『神風』を知っている。
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百均コーナーにありそうな釣具を発見!買うか迷ったがまだ様子見。

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日清カップヌードル!た…高い…。帰ったら食ってやるぞ。
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貧乏旅のため食っても太らない。非常食として優秀だが、残念ながら南米の暑さで溶けてしまう。
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醤油を期待して入るも空振り。

 

 

19:00 野営地

17時にはこの街に来られた。

途中の村では最高に美味いエンパナダスを頂いた。とても親切なご家族で、息子さんが英語を少し話せるからスムーズに対応してもらえた。身体のデカく、とても大人な振る舞いの彼は何と14歳!!驚いた。Giftと言ってなんだろうと思ったら、冷凍庫からアイスを取り出して俺にくれた。小1くらいの妹さんがウロチョロしてて、とても可愛らしく、言葉のわからない俺に構わず話し掛けてきてくれた。

エンパナダスは自家製らしい。道理で中身もぎっしりだし、道路の看板も他所とは違って気合が入っていたわけだ。実は一度通り過ぎたのだが、何となく後ろ髪を引かれる思いで引き返したのだ。いい出会いになって良かった。

彼と固い握手をし、「Have a naive trip!」と見送られ、お店を去った。恐らく俺たちはもう会うことはないのだろうが、「See you next time!!」と俺は返事をした。しまったな、名前聞いときゃ良かった。俺はユーシとだけ伝えたが。

南米の人々が人に出会い、別れる時にやるハグや握手は本当に素敵だと思う。握手して拳を合わせてくれた彼の笑顔が目に浮かぶ。

バイク旅三日目、早速素敵な出会いに恵まれた。

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妹ちゃん。ずーっとニコニコ話しかけて来てとても可愛らしかった。
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マジで美味い!これをきっかけに自家製エンパナダスを探し喰らう旅が始まった。
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GIFTのアイス。中にアイスクリームが入ってて、暑いしめちゃ美味かった。
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少年と。ありがとう、いつかまた会えることを信じて。

 

 

22:27 テント内

飯炊こうとしたらドラゴンフライの故障。嘘やろ。米もう水に漬けてんぞ。何度やってもプレヒート途中で青い炎になりかけるもボッボッボっと途切れ始めて最後には消えてしまう。モチヅキのWebサイト見ながら一通りのメンテはしたが、だめ。明日パーツクリーナー買おう。

 

そうこうしてたらフランス人ライダー二人組が現れ、、一人が「俺のガスバーナーを使ってくれ」と言って貸してくれ、何とか炊けた。ありがたい…。近くに俺らも野宿していいかというので、もちろんと答え三人寄り添ってテントを立てた。

彼らは二人ともHONDAのトランザルプ乗りだが、フランスから海上輸送したらしい。

 

晩飯は米と魚缶を食ったが、最高だった。魚も米も久々腹一杯食えた。

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シンプルな構造のはずだが…。バーナーが使えないとサッと暖かいコーヒーを楽しむこともできない。
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なんとも男飯だが、死ぬほど美味い。これをきっかけに米を炊くことを面倒と感じなくなった。

 

彼らが街に飲みに行ってから光生と小一時間ほどビデオ通話をしていた。今日のエンパナダスの兄妹との出会いの喜びを話したが、伝わっただろうか。今日面接らしいから、チリから合格祈っとくか。

 

さて、今日も上手くいったな。ドラゴンフライが目下の問題だ。

 

走行距離260km

金 ガソリン1673 飯300 食糧936

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