ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day157〜158 Cusco〜Chalhuanca〜Nasca】天空の道と二度目のチェーントラブル

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4月27日(木)曇り

 


6:28 Hotel Prince Chalhuanca

ナスカまで残り350kmの中継地点の町。

 

昨日(4/26)は19時に寝落ちして24時に起きてまた6時まで快眠。気温が丁度良くて寝心地が良かった。

 

クスコを出てからガンガン標高を下げて行ったが、また上がって今は標高3000m地点。ナスカは気温MAX30℃のため、標高の高い地域はこの辺でボチボチ終わりだろう。

3月頃のアルゼンチン北部の到達からここまで約1ヶ月、3000m〜4300mの世界で生きてきた。偶然にも富士山ホテルの生活と同じくらい。あの時と同じように、下界に降りたら走り出したくなるんだろうか。楽しみだ。もうこんな時間も一生ないだろうな。

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すっかり顔馴染みになったパン屋の皆さんにも挨拶。人生で一番美味いパンだった、必ずまた食べに来ると伝えた。
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絶対後悔すると確信。買い溜めして出発。
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俺のクスコ。
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ガソリン代高いのが地味にキツイ。アルゼンチンに慣れすぎたかな。
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どうやってこんなとこに農地を…。撮影時の足元は断崖絶壁。
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一度標高が下がって、この後また上がる。ウェアの脱着が面倒。
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近くに農村もないが…。
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ポケモントレーナーのように等間隔で御犬様方が配置された面白い山を走った。GoPro回しながら「また来るぞ来るぞ…ほら居ったー!!」と一人で爆笑して楽しかった。こいつはその終盤に出会ったやつ。千切れた縄を首に巻いてたからたぶん飼い犬。
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クソ広い店内の隅っこでポツンと。中華に裏切られたことがない。

 

 


さて、買い溜めしていたクスコのパンを朝飯にしたら出る。

今日は400km。17時着目標。

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無駄に豪華な部屋。ホステル暮らしを重ねるとたまにこういう嬉しいサプライズも起きる。
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町の側溝だが、縦に突っ込んだら二輪は命取りになる。作る時疑問に思わなかったのだろうか。

 


21:03 Hostel

眠い。久々ビール飲んで酔っ払った。標高が元に戻ったからか、悪酔いもせずに良い気分だ。

今日はひたすら走った。チェーンも外れた。何とかなった。

ダメだ眠い明日書く。今日も良い一日だった。

 

 

 

 

※以下は翌日に書いたが、纏めて記載

 

 

 


昨日(4/27)のことを書いておく。色々あった一日だった。

 


まずは、その道。

ペルーで最も絶景を堪能した一日だったのではないだろうか。

谷に降りてまた険しい山道を登り、また降りては登りを繰り返した。

蛇のようにうねり曲がった延々と続くワインディング。1000はあったのではないか。

そして幾度も現れる高所からの絶景。その高低差に足が竦みながらも、何度もバイクを停めて見渡した。

こんな風に眼下の町を見下ろすなど、日本に来ているだけではあり得ないだろう。

だって、これは普通は山に登ったり飛行機の中から見る景色だ。

デスロード走らずとも十分命を賭けた道を経験できたな。

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「いつになったら終わるんや」と、ようわからん不満を漏らすくらい絶景が続いた。
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たぶん最もペルーらしい道はここになるだろうと感じ、しっかり自分の姿も写真に収めた。
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荷台の上という安全圏から道路の犬に吠えまくる、個人的には南米を象徴する景色と思う場面に偶然遭遇!しかしカメラを向けると一瞬で静かになり解散していった。ポツンと残る荷台の犬に話し掛けに行ったら今度は俺が吠えられた。2枚目の御犬は愛想良くて癒された。

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標高はいつ下がるのかとずっと走ってたら、いつの間にか最高記録更新。
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途中現れた町で昼飯。適当に頼んだらガッツリ出て来てしかも美味い。アピの味に似たジュースも飲ませてもらった。
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クソ長い片側交互通行で暇だからセニョリータが売ってた謎の食い物を試してみた。こんにゃくゼリーがドロッとした感じで、まあ正直不味い。飲み切れなくてバックパックのサイドポケットに突っ込んでたらそのことを忘れて、宿の床汚して掃除する羽目になって最悪だった。

 

 


そしてトラブル。

久々やらかした。チェーンが外れた。

突然現れたクソ凸凹のオフに突っ込んで車体がバウンドした際、覚えがある違和感を覚えた。案の定だった。

 


脇に停車しフロントタイヤに石を挟んで車止めにし、サイドスタンドにゴム板挟んで体勢を整えた。

積載も全て下ろし、アクスルシャフトも緩めて、前回のようにスプロケとスイングアームの間に挟まったチェーンを取ろうとするも、できねえ。

スプロケの固定ボルトが邪魔して抜けない。

何を血迷ったのかアクスルシャフトを完全に抜いてしまい、車体は骨抜になってガクンと崩れた。

咄嗟に支え「あれ、今ヤバい状況なんじゃね?」と今更気づく。

このまま一人では入れ直せない。やばい。

数分汗ダラダラで車体を支えていると、トラックが通った。

必死に救難信号を出すと運ちゃんが察して車から降りてきて手伝ってくれた。

とりあえず元に戻して何とかなった。

 


運ちゃんとさよならしてまた四苦八苦。スイングアームの間を押し広げても空間が生まれねえ。どうすりゃいいんだ。

 


とりあえず手助けが必要だと判断し、近くの大岩の上で青春感じていたバイク乗りのおっちゃんに助けを求めた。

数分泣きついた末、岩の受けから降りて来てくれた。

とりあえずケツ上げてもらって、その際にメガネレンチ差し込んでテコで広げてみたら少し緩んだ。そのまま力づくで…抜けた!!おっちゃんと超喜んだ。

 


手助けが効果あったがわからんが、ともあれ隣に居てくれただけで助かった。

とにかく頭下げまくってMucho Graciousw連発したら「いいってことよ」て感じに微笑んで去っていった。

名も聞かないまますんませんでした。本当にありがとうございました。

 


それからは油まみれの手を砂で洗って、装備も整えて再び走り出した。うん、何ともなさそうだ。

 


少なくともこれで、どんな時にチェーンが外れるのか体で理解できた。

前回アウストラル街道の帰りにコックラン手前で外れた時も、凸凹でバウンドした時だった。

今度そういう道に出会したら極低速で進入するようにしよう。

つっても、遠目で見ても中々気づけないもんだが…。

 


セローに乗り換えるまであと4000km。これを最後のトラブルとして走り抜けよう。

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絶望した顔を記録。
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のんびりしているところをすみません。本当にありがとうございました。
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浮かぶように聳える町。写真では中々伝えにくい。
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片側交互通行再び。こっちの道路作業員の皆さんは蛍光色の作業着を着ていて、こういう面では安全意識高いなと驚かされる。
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メット脱いで音楽聴いて待っていたら、ツアークロスのダクト部の損傷を見つけた。最後まで持ってくれよ。
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絶景絶景&絶景。

 

 

 


宿には17時ごろ着いた。

最後の山道を抜けると、標高は3500mから一気に500mまで下がった。

気温も一気に上がり、ボリビア・ペルーの旅が終わり、目の前の沈みゆく夕陽も相まって、それは南米旅自体の終わりを実感させた。

ナスカからは北上もせず、麩菓子にも西にも行かずひたすら南下する。

サンティアゴの慣れ親しんだホステルカサマッテまでの4000km。もう、帰り道だ。

北米への期待と、長かった南米との別れを感じながら、ナスカの街に辿り着いた。

 

 

 

目的の宿のある通りに来てキョロキョロしていると、椅子に座ったおっちゃんに手招きされた。あ、あった。おっちゃんも宿の人だろうか。

綺麗な受付のセニョーラに挨拶して、考えた末、2泊することにした。

気になる町だし、一泊はゆっくりとね。一泊30ソルとまあまあ安い。

 


バイクも宿の倉庫に入れさせてもらい、ドミではあるが部屋に机と椅子、トイレにシャワーとあってどこも清潔で素晴らしい。

おすすめのレストランも教えてもらって、例のハツの串焼きとポテト、ペルーのビールで幸せになって、帰って気絶するように寝た。

前回の窓から入る夜風が心地よかった。

この日もまた、良い一日だった。チェーントラブルは二度と御免だけど。

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こんな感じで地図が用意してあるのとても嬉しい。このやり取りだけでワクワクしてくる。
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流石にこの手では飲食店行けんてことでゴリゴリ油を落とす。爪は常に短くしてていいなと思う。
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一ヶ月ぶりの平穏な標高。別にここに来るまでに危険な場所に居たわけではないが、普通の標高の土地に来ると謎の安心感を覚える。
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気圧が高くなってペットボトルもベコベコ。
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食いたいのがあれば写真撮って指差して伝える。
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贅沢しすぎかなと一瞬後悔したが、やはり屋台の串より数段レベル高かった。ボリュームもあった。
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こんな広くて綺麗なお店は得意じゃないが、まあ、たまにはね。

 


走行距離 420km

金 ガソリン1800 昼飯370 晩飯1600 宿2泊分2200

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