3月4日(土)晴れ 暑い 17℃〜32℃
25:23 ミゲルんち
「ミゲルんち」て、とんでもない場所名だな…。
そう、やっと辿り着いた。今、電気と水道が止まった(ミゲルの名誉のために念の為記録するが、決して彼が料金を滞納したとかではない。アパート全体がそうらしい)彼のアパートの一室で日記を書いている。さて、なにからどう書くか…。
昨日は夜にビール1L飲んだら最高に気持ち良くなってとても日記なんて書けなかった。まあ、Azulの街は泊まるだけだったため特に面白いこともなく。
あ、配信されたばかりの進撃の巨人FINAL SEAZON完結編前編(書いてて何がFINALなのかわけわからんくなる)を観た。高橋さんからのメッセで配信されたことに気づいたのだが、最高だった。リヴァイ兵長とハンジの最後のやり取りがいいね。長年の絆あってこその。最後のライナーの巨人化もめちゃカッコ良かった。ライナーも中の人の細谷さんも好きだから応援している。
飛行船でかわして降りたとしても文明が滅んでるからなぁ。ベルセルクの「蝕」とどっちが地獄だろ。
んで今日。6時起床の9時発。250km走行時点でYPFで休んだ以外は走りっぱなしで、16時ごろにはブエノス・アイレスに入った。町の外側はゴミだらけだしなんかそのゴミ道路端で燃やして至る所から煙上がってるし交通マナー最悪だしでウンザリしたが、中心部に向かうにつれて見るからに綺麗になり、サンティアゴと同じような街の姿を見ることができた。
教えてもらっていた彼のアパートの近くまできたら、出迎えに外まで来てくれていた彼とバッタリ会って、約2ヶ月ぶりの再開を果たした。たった2ヶ月だが、これまでの旅路のことを思うと本当に長年会っていなかった友に会えたかのようだった。
ガソスタのWi-Fi使ってミゲルに近くに来たよと連絡。でないとこのデカい街で待ち合わせは無理だ。
再会の挨拶もほどほどに、バイクに積んだ荷物を彼の家まで上げて、先にいらっしゃったお母様にも挨拶した。お母様も月曜日までミゲルんちなのだ。
親子の時間を邪魔しちゃ悪いと、月曜以降に行くよと伝えたら「Oh no Yushi oh no」とめっちゃ言うので、遠慮せず来た次第だ。
バイクもミゲルの借りている立体駐車場に置かせてもらい、彼の車に乗って今日は色んなとこに連れて行ってもらった。
まずはシャワーを借りにミゲルのガールフレンドの家にお邪魔させてもらった。
黒とグレーのニャンコロ二匹がいて最高だった。
アンナの家でもみたトイレにある謎の設備についてミゲルに聞くと、あれはケツを洗うためのものらしい。マジか。想像だにしなかった。
「日本人か賢いから便座にウォッシュレットが付いているだろうが、アルゼンチンはこうなんだ」と笑いながら教えてくれた。いやいや、興味深いよ。
ちなみに、盗まれると言う理由で便座がないキャンプ場だらけだったとこを話し、なぜ盗むのか聞くと、「俺にもわからない」とまた笑いながら。だよな、笑うしかねー。便座盗む奴の気持ちとか想像できんわな。転売でもするんか。
次はパン屋さんで、名前なんだったかな、甘いのを食わせてもらったがこれは美味かった。ガールフレンドがパン屋に詳しいらしいから、滞在中に連れてってもらおう。アルゼンチンのパン屋巡りは最高だ。
風呂前に道端のバーで缶ビールも頂いたが、これも本当に美味かった!!風呂前のビールってだけでもまた贅沢なのだが、ビールがまた俺好みで!ちょっと苦くて、泡がきめ細かいけどクリーミーすぎず、ちょっとフルーティーな香りがして。ミゲルによると、バーに工場が併設されているらしく、そこで一から生産しているとか。拘りのビールってわけだ。それにしてもアルゼンチンのビールはハズレがない。
黒猫に最近縁があるなと。闇に同化しとる。
デザインもいいよね。そしてしっかり美味いんだ。
久々のミゲルは何も変わってない。
街の北側に流れる川にも連れて行ってもらった。
川といっても、ありゃ海だ。それもそうで、この川は川幅が世界一らしい。最も長いアマゾン川はブラジルにあって、最も広い川はまさかブエノス・アイレスあるとは。
ここは南から風が吹いてくるためとても涼しく、ビールを回し飲みしながら色々話した。
ミゲルに伝えたかったことの一つ、マテ茶の文化に感激してハマっていることを話すことができた。
やはり「マテ」=「mate」=「メイト」=「仲間」の意味だった。素敵だ…。
これから終わるまでも、日本に帰ってからも習慣にしたいと熱意を込めて話したら嬉しそうに笑っていた。
明日の夜はミゲルの友人達とBBQだが、友人の一人がマテ茶を研究していた方らしい。詳しく教えてもらえることになった。やった!!とりあえずは、マテ茶の葉は中国の方が経営するお店で買うのがいいとか。質の良い北東の物を仕入れているらしい。
Gaimanに行った時にウェールズのドラゴンがデザインされた洒落たマテ茶のカップを見付けて買うか迷ったが結局踏み出せなかったことを話したら、バカヤロ〜て笑われた。いやほんと、あれはとても貴重だし良いデザインだったよ。
あっという間に日が暮れた。ブエノスの夕陽も美しかった。
「見ろよ、綺麗な女性だな」とかアホみたいに話すのもサンティアゴ以来だ。なはは。実際ブエノスの女性は美人ばかりだ。
晩飯は街で最も素晴らしいピザ屋の一つでいただいた。ミゲルの言う通りアルゼンチンのピザは一般的なイタリアンのピザとは大きく違っていた。ピザ生地と言うかパン生地で、とても厚くてフワフワしていて、チーズがたんまりと使われているのが特徴のようだ。食いごたえもあって美味かった。
食う前にミゲルが車を動かした際、後ろの車にコツンと当たってしまったのだろうか、それで車の主と同乗者と交えて口論みたいになっていた。アレックスぐらいスペイン語が話せたら多少力添えできたのだが…。
あとで聞いたが、ミゲルが保険屋の連絡先を交換しようとするにも関わらず相手がそれをスルーしまくるもんだからファイトになり掛けたらしい。「日本では警察呼んで保険屋さんに連絡してお互いの連絡先交換して終わりだったよ」と話すと驚いていた。静かなもんなんだなって。
人気ぶりがわかる人の多さ。
しかしお店の人たちがめちゃくちゃ仕事が早いのでサクサク捌かれていく。ピザを切り分けて梱包する速さが凄まじかった。
道端で気楽に食えるくらいには夜でも出歩ける。場所次第やね。
他にも、街の中心に立つオベリスクを見せてくれたり、ミゲルが幼少から大切な時を過ごしていた眺めのいい思い出の公園に連れて行ってもらい、またビール片手に色々話した。
ミゲルは10歳の時にPS1でバイオハザード3(英題:Residento Evil3)をプレイしていたらしい。「ネメシス」という言葉の意味がわからなかったため、ミゲルがまさかのバイオを例に教えてくれたわけだ。
小6の時、ケイくんちでのスイミング組のお泊まり会にて、かつひろがジルを操作してネメシスのロケランから逃げるのを傍でビビりながら観ていたってのに…。
アルゼンチンのひとたちがいつもサッカーやってるからミゲルもそうなのか聞くと、小さい頃からこの公園でいつもやっていたらしい。だからサッカーは観るよりプレイするのが好きだって。サッカーが国技ではないが、アルゼンチンの人たちは皆んなそうらしい。
日本だと何かあるかな。相撲は国技だし、力士を尊敬はしているが立ち位置が異なるよな。
ちなみに相撲=SUMOは、「スーモ」と呼ぶみたいだ。それで最初ミゲルに伝わらなかった。
車の中から撮影。テントの中にいた今までの夜を思うと信じられない景色だ。
公園のステージでサルサのイベントが開催されていた。司会のおっちゃんに日本人だと言うと物珍しがられてビデオカメラの前で簡単に自己紹介までした。どこかの番組で放送されたのだろうか。ちなみにミゲルはサルサは踊れないらしい。
帯状に光る最上部はブエノスで最も高級な部屋の一つらしい。
ゴールの場所も適当にその場で決めてサッカーをやる。いいね。
ワイルドスピードのストリートレースのような景色があった。
こんな何気ない通りでも美しい。
んでさっきやっと帰って来て、ミゲルはもう寝たみたいだ。
いやあ長い一日だった。つい先日までパタゴニアの大平原にポツンと現れる小さな町か集落を転々としていたのに、今は南米でも最大の南北100kmにもなる大都会にいる。24時過ぎても人々が当たり前に歩き回り、街の明かりが空の雲を照らしている。車で夜の街を走るだけでも大興奮だった。
「どのくらい居たい?」と聞かれたので三日と答えたら「たった三日だけ!?」と言うので折角だし甘えて6日間居させてもらうことにした。こんなこと、もう一生ないだろうしな。
ボリビアとペルーでのお金のやり繰りやバイクの整備など解決すべき問題はあるが、とりあえず今は楽しもう。頼りになる友人が側にいることだし、何とでもなるさ。
さて、どんな日々になるだろうな。楽しみだ。
また宜しくね、ミゲル。
今日は最高の一日だった。
走行距離 365km
金 食700 ガソリン800