5月29日(月)晴れ 暖かい
18:02 Windbell Motorcycle
何から書こうか…。27日の7時にカサマッテで目を覚ましてから終わらない一日が今日まで延々と続いていた気がする。
ともかく今は無事にカナダに辿り着き、ウィンドベルさんで一息つけたところだ。今、金谷さんがUSB電源を付けてくれているから、長大になるかもだし今のうち書けるだけ書いておく。
ロスには定刻通りついた。10時間のフライトだったが、スパイダーバース観た後は殆ど寝ていたようで割とあっという間で疲れもしなかった。喉の渇きだけは相変わらず辛かったかな。空港で割高で買った500mlの2本没収されるとは思わんやった。チェックイン後に買った物なら良いんやと勘違いしていた。
ロスでは最初の一時間くらいはターミナルBで色々場所変えたりカート押して歩いて運動不足を解消したりしていた。
そしたら次のターミナルはここではないことにやっと気づき、外を歩いてターミナル6へ移動した。人も少なく静かであったためもうここで翌朝まで過ごそうかと思ったが、とんでもないモンスター二人に出会ってしまい、平穏は長くは続かなかった。
でかいおっさんが二つ隣にドカッと座ったと思ったら、何か食いながらゲップを連発。これだけならまだどこにでもいる下品なおっさんだが、続けて一人で3秒に1回はFuckと呟いてキレ始めた。定期的にベンチを殴り、その衝撃は同じベンチの俺にも伝わってくる。んで中空を殴ってまたブツブツ。これが翌日の午前2時まで続くとは思っても見なかった。エレベーターに乗りに行ってまた戻ってきたかと思ったら今度はゲラゲラニヤニヤ笑ってたり。
この行動を観察する前に10分ほど会話もしたが、日本に何度か行ったことがあって、アルゼンチンでは英語の教師をしていたと?お前が?冗談言うなや。くせーしキショいし、過去最強のイカれだった。
そのおっさんから離れたと思ったら、今度は前日の朝暴れていた黒人のババアがまた一人で奇声上げながら演説してキレ始め、またもや席を移動せざるを得なくなった。
結局ターミナル6から離れたターミナル4の端っこで毛皮敷いて断熱して横になって仮眠した。
去年の11月22日にロス来た時もイカれたおっさんが隣に座ってきたが、何なんや一体。
んで4時からチェックインして無事に搭乗。22時間のトランジットはもう二度とゴメンだ。
ロサンゼルス空港再び。軽いトラウマの場所を今度は一瞬でクリアできて歓喜。
ロサンゼルス空港て沢山ターミナルあるんだね。こういうのもまだまだ全然知らない。
このおっさん。なんでこんなヤバいやつが野放しにされてるんだよ。
このしょぼいのが1200円。いくら空港価格とは言え頭おかしくなりそうだ。
水道水が飲めることにアメリカ来たなと感じる。
飯食って戻って来たらおっさんまだ居た。お前23時の飛行機て言ってたやんけ。
写真撮って何度も間違いがないか確認。
ターバン初めて見た。旅行中なのかな?
日本語案内で助かった。サンティアゴ空港で発券した際に、ロスからバンクーバー行きも同時に発券されたが、念のためここでもやってみた。どうやら必要無かったらしい。
朝4時から不安な心持ちで列に並ぶ。6時発なのに間に合うのかよと言う不安。
無事に搭乗口に行けて安心。コーラ600円で本当に頭おかしくなる。
カナダ行きの飛行機は小ぶりながらも最新鋭の匂いがして、モニターの言語選択に日本語があって驚いた。
飛行時間は3時間だったため一瞬で到着。これで安心と思いきや、チリ行きの時のロスに続いてカナダでも別室送り。めっちゃ質問に答えて荷物も全部確認させられた。全く、どっからどう見てもバイク旅人やろがい。
バンクーバー空港は今までの空港と違って、遊び心のある美しい空港だった。中にビオトープみたいのがあったり、森の中で鳥が鳴いていたりと、自然と共存するカナダという国の色が出ている。
21kmを荷物担いで移動は無理なためまたウーバー呼んで金の力で解決。
カーテンフック掛けが鹿の角?可愛い。
バリバリ日本語案内。やっぱデカいとこはすげーな。
今回のフライトはずっと曇りで、窓からの眺めもこんな感じばかり。
富士山みたいな山。名前忘れた。
カルデラ湖?後で近くを走るのだろうか。
今までで一番歩いて楽しい空港だった。国の色が出てるのは良いね。日本もそういう空港あるのかな。
(寝落ちして翌朝9時、続きを書く)
タクシーの運ちゃんとの談笑は英語で当たり前に楽しむことができ、窓の外を流れる町の景色にも当然英語。北米に来たってことを少しずつ実感し始め、南米の旅が如何に得意なモノだったのかも今になって気付き始めた。
到着すると庭先で車を洗っているアジア人の男性が一人。Hola‼︎と言いそうになるのを抑えてHello‼︎と挨拶。金谷さんだった。やっと会えた。
挨拶もそこそこに、疲れたろうてことで快適な椅子も出して頂いて荷物下ろしてドカッと座る。ああ、無事に辿り着いた。
ちょっとわがままかなとも思ったが、今日中に乗れるように手続きをしてくれるとのこと。それまでは事務所の一角を借りて、いつでも走り出せるようにサイドバッグとドラムバッグ、バックパックとウエストバッグの4つに再び装備を振り分けた。いくつか絶対に必要のないもの、例えば使い切った日記帳や南米の地図はお店に預かってもらうことにした。これでかなりパッキングも楽になる。マテ茶セットもお留守番。
工具を買う前に携帯工具も確認。さすがYAMAHA。明らかにボラーレのとは質が違う。
フル積載もしてみたが、ツーリングセローとほぼ同じ。サイドバッグサポートがない分、ちょっとギリギリのとこもあるが問題なし。見た目はいよいよ日本でお留守番しているセローの生き写しだ。安心する姿だ。
HONDAアクティに乗せられ相棒登場。日本人がアクティ使ってセローを連れて来るて、ここは日本か。
携帯工具の質に感謝する日が来るとは思わなかった。
それなりに思案した結果の選手たち。これにリアのアクスルシャフト用の22のレンチを追加する。
笑っちゃうくらいセローだ。気が早いけど、日本帰ってからもこいつが待ってくれている。最高だ。
何やかんやしていたらあっという間に夕方。金谷さんと二人でNISSANの車に乗って保険屋に行ったら、ぶっ飛んだ。バイクの税金6万に保険で10万で計16万円。どわーーー。聞き違えたかと思うくらい予想外の出費。これで北米編でバイクに掛かった費用は90万。だっはーすっかり金持ちの遊びってか。ま、全力出すと決めていたから切り替えていこう。つっても野営で金抑えねーとな…。
お店に帰ってからはスタッフのリエコさん、AYASENさんと4人でお食事会。なんと日本料理屋!!これがまたちゃんとした日本料理屋で、豚キムチや餃子、唐揚げや〆鯖まであるんだ!!しかも美味い!!海外特有のSUSHIもより独創的なもので興味深く、しっかり美味い!!さすがカナダ、さすが韓国の方が経営するお店ってか。
皆さんとはいろんな話をした。
金谷さんは15年程前から俺のような旅人の世話を始めたらしい。キッカケはmixiの投稿だったとか。コロナ前は年に3、4組は世話していたとのことなので、今まで送り出してきたライダーは相当な数だろう。本当にありがたい話だ、俺ら旅人にとっては。
アヤセンさんはシンガーソングライダー。肩書きが上手いよな。ウィンドベルさんのインスタの投稿でお名前は先に知ってて興味津々だったが、まさかお会いできるとは思わなかった。カナダから日本にライブで来てた友人がキッカケで、今の生活を目指し始めたんだって。
ウィンドベルさんとの出会いはTwitter。金谷さんが海外ツーリングをTwitter上で調べていたらアヤセンさんが出てきて、軽い気持ちでカナダに来た際は遊びに来て下さいと挨拶したのが始まりだとか。そしてお二人はどうきょうで大阪出身で実家もすぐそことのこと。奇妙な縁もあるもんだ。
今はワーホリビザでウィンドベルさんにて働かせてもらいながら、あと半年、合計一年をカナダで生活するって。
リエコさんは語学留学後、カナダが気に入ったためそのままワーホリへ移行。特に日本に帰る理由もなかったからこのまま生活を続けることにしたとか。マジか。俺にはできん。
そしてお二人に共通したのは、どちらもコロナに振り回されたということ。
アヤセンさんはバイク業界音楽業界、芸能で生きている。リエコさんは語学留学の費用を振り込んだ直後のパンデミックだった。
そして二人は31歳と28歳。コロナも年齢も、生き方を変える。いや、普通の道に戻すには十分な理由だったのに、二人はそうしなかった。
俺とこのお二人、やってることこそ違えど、生き方という点では強く共感を覚えた。素直にかっこいいと思った。歳も近いしね。他人の心に土足で踏み込んでいないかちょっと心配だったが。
心も体も幸せになってお開き。駐車場でまた軽くおしゃべりして、見送ってもらった。また翌日顔出すけど、アヤセンさんはお休みのためまた三ヶ月後の期間時にツーリングでも行こうと約束してお別れ。写真も撮ってもらった。
居酒屋の提灯にテンション上がりまくる。
最高だった。本当にご馳走様でした。あまり長く眺めていると食欲が暴走する。
〆鯖て日本でもたまにしか食わんとんば…。大根のつままで嬉しい。
普通に生きてりゃ会えないだろう世界の人なのだが、あっさり会ったので何か不思議な気分。彼女はバンクーバーでもニンジャ400を買った本物のバイク乗り。
一人バンクーバーの街に走り出す。面白いくらいにこいつはセローだ。ノンカスタムだから少し窮屈ではあるけど。これで日本一周だってしたし大丈夫だ。
急な坂もガンガン走り抜けて、興奮と落ち着きが入り混じり徐々に旅人の面に戻っていく。旅がまた、始まった。
予約していたホステルは6200円なので思いっきり汚れた体を洗って洗濯もして、師匠や家族、仲間達に無事の報告をして日記書いてたら限界を迎えて23時ごろ気絶するように寝た。
そして今日。やることはたくさん。国境越えもある。よっしゃチャチャっと片付ける。
今日も、今回の旅もご安全に。
色んな人にこの写真送って自慢。最高だ、セローだ。
走行距離 TRIP 20km ODO 4789km(4769kmスタート)
金 タクシー4000 保険10万 税金6万 宿6200 晩御飯0(※金谷さん、本当にご馳走様でした。リエコさんアヤセンさんもありがとう!!)