3月26日(日)曇り
11:50 とある町の東屋
6時起床。
YPFでネット繋げて今日の行程確認していると光生からLINE。バイオ4買ったらしい。クソッタレ羨ましいぜ。しかしペルソナ4やってる途中だとか。どっち派かと聞かれたので当然千枝ちゃんやろと即答。
P4、やったのもう10年前か。ちょうど今の光生の歳にやったんよな。
ケイスケからもLINE。ツインズが俺に恐竜図鑑のお礼を今言いたいと言い始めたらしく、動画が送られてきてた。和んだ。俺も動画で返事してやった。帰ったら野母崎の恐竜博物館に連れてってやらんばな。
俺の中でYPFはジョイフルみたいな存在だ。
ランクルのピックアップトラック?かっけーなーと思わずパシャリ。
YPFを出てすぐにR40に乗ってひたすら北上。途中異音がするため念入りに調べると、エキパイの根元のボルトが緩んで直管マフラーみたいな音を出す原因になっていた。
あっぶねー気づいて良かった。
しかしおかしいな。ミゲルんち去る前にここも確実に増し締めしたはずだが。アベレージ時速75kmで走っているからだろうか。今後毎日チェックしよう。
景色は再び一変し、両側に大きな山脈を望みながら走ってきた。標高をガンガン上げてまた下がってと繰り返している。俺が知るR40とはまた違う顔だ。
今は200kmぶりに現れた小さな町で一息。
昨夜クッキーとパンを余分に買っておいたから定期的にエネルギー補充ができる。こんなことでも豊かさを感じてしまう。
途中小さな家を数軒見たが、この何もない土地でどうやって生きているのだろうか。
さて、行こう。
木々の根元を白く塗ってあった。視認性向上のため?
あの山を突っ切るのか躱すのか。この先の道に期待が膨らむ。
いつ終わるんやと笑いながら緩やかに登ってちょっと下ってを数km続けた。
一体こんな荒野のど真ん中でどうやって生きてるんだ…。何度見ても不思議だ。それだけ俺が甘い世界で生きてきたってことだろう。
たまに現れる礼拝所みたいなとこ。必ず赤い布切れで装飾されてるが、何か意味があるのだろう。
こんなとこが緩むとは知らなかった。もう14年バイク乗り続けてるのにほんと甘ったれだと思わされる。
遠くの山がマーブル模様に見える。
すげー乗り方してんな。
挙動不審なチキートとお犬様。
間違えてR150に乗ってR40に戻るまでの山道。絶景の連続だった。
海外初の山間部のトンネル。ちょっとビビる。
しかし腹痛で景色楽しむ余裕なく…。
馬…ロバか!野生でいるんだな。家畜だけかと。
15:41 サンタクルサ ガソスタ先の川
濁流が氾濫した川を前にして書いている。
これからどうするか話し合う人々、切り替えてまったり世間話をする人々、様々。
ここに着いたのは30分前くらい。あれからひたすら真っ直ぐ走ってガソスタで残り150kmのために給油していると、ヒマラヤ乗りのコロンビア人の彼に出会った。
彼の話を聞くと、どうやらこのすぐ先にある川が氾濫しているようだ。動画も見せてもらったが、とてもバイクでは無理な様相だった。
しかし事実を確認したいと二人で来てみたら、動画に間違いはなく物凄い光景。
国境の町であるラ・キアカを目指すために続々とここに集まるライダー達と運命共同体となった。まあ、様子見るしかねーなと今は楽観的に構えている。
っと、マジか。今ショベルに乗ってバイクが川を横断してきた。マジかよ。
ありゃ消防が手助けしてんのかな。ま、待つしかないな。
ツアーで現れたBMWのライダーにニヤッとした顔で言われたよ。
「Welcome to the South America」
全くだ。最高だな。良い経験にさせてもらうさ。
現場に着いたらこんな感じ。でも妙にワクワクしてくるんだよな。
セニョールのバイクはミゲルと同じものだった。これ、日本走るオフ車の完成系じゃないかな?なぜこれを日本で販売しない。
泥の川ってのが恐怖をより一層引き立てる。
三者三様状況に対応する。
ツアーの彼らはサポートカーで一台ずつ。羨ましいぜ。
おいおい俺も乗せてってくれよって感じ。
この状況を一枚で表現する良い画が撮れたと思う。
アドベンチャーライダーに羨望の眼差しを向ける少年たち。
颯爽と現れてすごい技術で砂山登ってった地元ライダー。かっけー。
消防が手助けしてたみたい。しかしこの車ぱっと見ジュラシックパーク走ってそうだな。
この重機は初めて見た。かっこいいよな。
19:53 とあるエンパナダス屋の庭
川は無事に渡れた。
最終的に、上流の天気が崩れそうなため決断を急がれる形になり、仲良く話していた3人で思い切って決行した。
一人では決断できずに引き返すか、翌日の変化を待ってもっと悪い状況に陥っていたかもしれない。先陣切って決断したツアー会社のスタッフのロレンゾ、一緒に渡ってくれた二人共本当にありがとう。
ブーツもジーンズもずぶ濡れで、脚も恐怖と緊張で震えていたけど、やり切ったよ。
にしても二つ目の川は本当に流されそうなほどの勢いで怖かったな…。水はやっぱ怖いな。
共に渡河を成功させた彼らと別れてチレ・シトを目指すも、また雨。
時間も既に日没間近でこのままこの天気で山間部に突入するのは愚か。
どうすっかと決断を迫られていると、ちょうど良いタイミングで庭に簡単な屋根のあるエンパナダス屋を見付けたため、ダメもとでご主人にお願いしてみるとかいだくしてくれた。言葉もわからんアジア人を受け入れてくれてありがとう。
急いで設営していたら寒いだろうとお湯までいただいた。
ご主人は家に帰って、今夜は飼い犬の彼と二人きり。こんな時犬は頼もしいな。
スキマのある屋根だからポツポツと雨粒がテントを叩きはするが、雨の勢いを弱めてくれるから浸水はないだろう。
明日は晴れてくれると良いが…。
今日は大変だったが愉快な日だった。憧れたユアンとチャーリーの旅の場面みたいで楽しかったな。
マジで勇気を与えてくれてありがとう!一人じゃ絶対決断できなかったよ。
写真じゃわかりにくいが、ゲームの石柱ステージのようになっている。
道路端だが田舎だし施設内だし安全と判断。
ひもじい飯で我慢。食えるだけマシってな。
走行距離 450km
金 ガソリン800