ただの男がバイクで世界一周を叶えるまでの記録。

高校生からの夢、バイクで世界一周を叶えるまでの記録をまとめたブログ。旅の理由、決断に至るまで、お金のこと、旅の準備、旅の様子など、考えうる全てを後に続くライダーのために残したいと思っています。

【Day61 Cerro Castillo〜Puerto Rio Tranquilo】オフロード思案録

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1月20日(金)晴れ


12:06 オフロード途中の交互通行待機列

9時出発。鶏親子を撮ってガソリン入れて再び南下を続ける。

キャンプ場のトイレが紙は無いわ、そもそも汚いわで便座に座ることもできず、道路脇で野糞。こんな場所でやったのは初めて。車もチャリも来なくてよかった…。チリのトイレの便座、なんでサイズ合ってねーんだよ。それに絶対便座下ろしたままションベンしてんだろクソ野郎。んなら大自然でするわボケ。

 

またすぐにオフロードが始まり、いつものように車の土煙を浴びながら時速20km〜30kmのペースでちんたら進む。少しでもフラットな道を探して走るのだが、チャリが走った跡を見付けると何だか安心する。同じ二輪仲間としてだろうか。

 

今はメットを被りシールドも下ろして、アブにたかられながら立ったままバイクの上で書いている。20分待ち時間があるらしい。アブは絶滅させてくれ。

 

長い長いオフロードは暇だ。いや、手足も腰も目も何もかも転倒しないためにフル稼働してはいるが、意外と頭ん中はポケーっとしていたりする。

また同志達に伝えたいことなんかを考えていた。

 

そうだな、やはりこれだな。現地で装備を揃えたり途中で追加したりして旅をするのは最高に楽しいということだ。

街歩き用のTシャツやスケッチ用の鉛筆を買うだけでもメチャクチャ楽しい。俺は釣り道具を持参することに躍起になっていて結局叶わなかったが、全然現地で何とかなったし、たぶんその方が色々と都合もいいはず。ルアーぐらいは持ってきてもいいかもだけど。

 

とにかく、大抵の物は手に入ったから、お金に余裕ああれば現地で揃えて出発するのも面白いと思う。日本での愛用の装備で戦いたい気持ちは痛いほどわかるし、俺もそうだけどね。

途中の街で欲しかったり忘れていた装備を手に入れていくときの感覚は、完全にRPGの主人公の気分だ。

 

ちなみに、テントやペグは持参して良かったと毎日思っている。やはりムーンライトで旅をするのは最高だし、これで旅しないと俺はダメだと、テントに帰るたびに思う。本当に家なのだ。セローを連れて来れなかった分、こいつが一緒に来てくれて本当に心強い。

ペグも同じく。ジュラパワーペグのMADE IN JAPAN刻印が実に頼もしい。これほどのペグは他に知らないし、実際毎日助けられている。ペグとテントがガッチリ合わさって初めて、安心して眠れる住処が出来上がる。ペグはあまり豊富な種類をアウトドアショップでも見かけないため、拘りがあれば持参するのをおススメするかな。みんな何使ってんだろうな。

 

あ、水の濾過器を忘れたのは本当に失敗だった。忘れたというか、装備品リストから外していた気がする。愚か過ぎる。あんな小さいもの、頑張らなくても普通に携行できたろうに。持ってたら安心してチリの大自然の恩恵に授かれただろうに…。ほんとアホ。濾過器は売ってても焼く1万円と高価だし、ソーヤープロダクトほど使い勝手の良いものではない。

 

こんなもんかな。思い出したらまた記録しよう。

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旅人にたかるポッポ達。ひよこの声で起きるなんて平和だな。
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野糞時に藪に入ったらトゲトゲの種子が付きまくって最悪だった。日本のやつみたいに優しくなくて、皮膚を貫通してくる鋭利さなのだ。
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なんでこんな色になるんだろう。
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ほんとこの土煙さえなけりゃ…。
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濡れながらも滝で水を補充。夏で良かった。
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朝飯はトマト丸齧り。
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20分待ちの工事。あと数年もすればアウストラル街道からオフロードは無くなるのかもしれない。

 

14:29 とあるカフェ

街まで後少しのとこ。長いオフロードを走って走って、突然開けた土地に出た。ミルキーブルーの大きな湖ががんぜんにひろがり、左手には険しい岩山、右手には断崖直下に牧場が続いている。

カフェを見つけたが一旦スルー。エンパナダスの看板を見つけたためすぐにUターン。残念ながら品切れのためハンバーガーを頼んで1000円の出費となってしまったが、めちゃ美味かったのでヨシ。オリーブの塩漬け、あれは肉とアボカドと合うな。日本でも試してみよう。貧乏旅人と察したのか、コーヒーをサービスで付けてくれた。ありがとうビクトル。

アウストラル街道に店を構えていると、いろんな国の旅人と話すだろうから言葉も大変だな。しかし面白そうだ。宿を営業したりするならそういう場所に構えてみたい。日本だと何処だろうな。

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美味いけど高いね…。結局自炊最高となるのである。早くアルゼンチンで腹一杯ステーキ食いたい。
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この一本道は絶景だった。緑と湖の青と遠くの山の険しさが調和している。

 


23:01 Puerto Rio Tranquilo

カフェではあのあとオランダ人ライダーの夫婦と談笑していた。サンアントニオからオランダまでバイクを輸送して帰るらしい。R1250GSでタンデムだ。

きこくしたら結婚したいと、俺は孤独は嫌だと話したら笑ってくれた。「俺は60歳になるが、二度結婚している。若い頃は旅をするものさ」と言ってくれた。32歳は若いのか?束の間の楽しいやりとりだった。


街に着いたのは16時ごろ。オフロード走りまくって疲れたし、また次の街まで長距離オフロードが続いたら野営地の確保に苦労すると判断し、少し街の様子を見てから安全と判断し、誰も来ないだろう一等地に野営地を確保した。


裾を上げて川を無理矢理横断してミニマーケットでコーラを手に入れて、テントでぐうたら。こんな時間も久々だし、許されるだろ。


3Gだがいつもより回線が調子いいのでお母と電話した。思いのほか元気そうで安心した。

俺が先日決めたことも伝えた。理解してもらえて少し気が楽になった。そう言うと感じていたらしい。まあ、何が正解ってのは無いんだろうがな。姉ちゃんにもお礼を言わないといけない。

とりあえず、お金もちょいちょい出ていくだろうし、光生も週末帰るらしいからばーばと四人で美味いもんでも食ってきてくれってことで適当に振り込んでおいた。


お父とは、あれが今生の別れか。お母と姉ちゃんはPCR検査を受ければ面会できるらしい。まさか西村家に、こんな形でコロナの影が落ちるとはな。

今やれることをやっていこう。


明日は一日休みたいとこだが、天気が心配だな…。ねる。

 


走行距離 137km

金 昼メシ1,231 ガソリン620 コーラ312